元嶋佑弥(No.88 VENTENY Lamborghini GT3)「今年は何もしなくても、ある程度クルマが速く走ってくれる」 | SUPER GT 2024 第8戦 モビリティリゾートもてぎ【SUPER GTあの瞬間】
── 昨年の最終戦での初優勝以降、今年は小暮選手とふたりで3勝を挙げるなか、自分として成長できていると思うところはどんな点ですか?
元嶋:今までは、優勝することが目の前にあった大きな目標でした。それが、“チャンピオンを獲りたい”という目標に変わったので、おのずとレースの組み立て方が、以前とはちょっと違うのかなとは思いますね。今回も優勝はもちろんしたいと思っていましたが、それよりも意識は65号車、2号車に行ってたりとか。これは、もしかしたらチーム全体としても同じかもしれないです。65号車とピット(タイミング)を合わせようと言ったのも、チャンピオンシップに関わって争っていなければ、僕が言ったように(ピットインのタイミングを)引っ張って前に出ようとか、また別の展開になってたかもしれませんね。
── 勝利を重ねるなか、勝つために何が必要か、みんなの意識が高まってきたのでしょうか。ドライバーとしてもチームへの信頼感が高まりますね。
元嶋:そうですね。今まで以上さらにみんなを信用するようになっていますね。みんなそれぞれの仕事への責任感が本当に強いので、僕もドライビングに集中して走ることができています。特にストラテジーなどは、伊与木(仁エンジニア)さんにほとんど任せていて、僕はもう状況を伝えるだけですね。去年までは、ああじゃないかこうじゃないかって、レース中でもストラテジーをエンジニアさんと一緒に考えたりしていましたが、今年に関しては、僕が状況を説明するだけでチームが組み立ててくれるのですごい楽です。伊与木エンジニアの加入によって、なんかみんなが落ち着いて仕事ができるって言うんですかね。今までより“地に足ついて”レースをしている感じはします。JLOCって、以前は“わちゃわちゃ”して、なんか勝手にみんなでテンパってたんです(笑)。伊与木さんの“レース勘”もあるんでしょうが、イレギュラーが発生したときもみんなが落ち着いて対処できるようになりました。それに、何気ないことなんですけど、セッション前に伊与木さんが全員に声をかけて、『こういうことあるからね』とか、そういう“ひと言”を言ってくれたり……。チームとしての今年の強さは、伊与木さんの経験が大きいと思いますね。本当にチームの雰囲気を一番良くしてくれる人かもしれないです。