元嶋佑弥(No.88 VENTENY Lamborghini GT3)「今年は何もしなくても、ある程度クルマが速く走ってくれる」 | SUPER GT 2024 第8戦 モビリティリゾートもてぎ【SUPER GTあの瞬間】
元嶋:スタートを前にして、絶望しかありませんでした。(ランキング争い中の)65号車が2番手、僕らはあそこの順位(17位)だったので。2号車は近く(16位)にいましたが、結構絶望的だなと思っていました。ただ、前回のオートポリスも予選15番手から追い上げての優勝ですし、今回に関してはもてぎとこのウラカンの相性が本当にすごく良いので、レースペースでは自信があったんです。ただ、優勝までいけるとは思ってませんでした。 実際スタートしたら65号車がどんどん近くなってきて。で、65号車の真後ろにつけた段階で、『65号車はきっと無交換で来るだろうから、どうしようか?』と、 無線で結構長い時間、会話していました。向こうは、結構ツラそうだったんです。なので、僕は冷静に『65号車は多分タイヤを替えても無交換でも、ツラいと思う』と話をして。で、『4輪交換してスピードで抜きに行くことも可能だと思う』とエンジニアさんに伝えました。でも、もてぎはタイヤを替えない人たちが多いので、チームからは『できたら2輪交換で行きたい』と言われました。無線では、結構そういう会話をしていましたね。
── 懸命に戦っているなかで行われた会話とは思えません。
元嶋:そうなんです。結構、やることが多かったですね(笑)。スタートで順位を上げて、後半の小暮さんにブレーキやタイヤを残すことも大事なんですが、何よりクルマの状況……後半に向けて今のタイヤはこういう状況です、と伝えるのが大事だと思ってるので、いつも僕がドライブしているときの無線は、結構忙しいですね。
── そのなかでFCYが導入される展開となりましたが、抜きにくいと言われるもてぎで、もう10周目には6番手を走っていました。やはり、クルマともてぎとの相性の良さがポイントでしたか?
元嶋:もてぎは抜きづらいとよく言われますが、個人的にめちゃめちゃ好きなんですよ。好きというか得意なんです。抜きにくいというイメージもそんなになくて。クルマのペースが良ければ、ある程度オーバーテイクはできると思っていました。ウラカンはブレーキングが強みなので、すごい深いところまでいけるんですよ。なので、うまくクルマの長所を引き出せたなと思いますね。