【解説】「自民党は国民が“忘れる”のを待っている」28、29日政倫審へ 「議員だけ傍聴」譲歩も その思惑は? 裏金事件の実態解明どうなる
自民党の裏金事件をめぐり、あさってから2日間開かれる予定の衆議院の「政治倫理審査会(政倫審)」。「公開」「非公開」をめぐって、自民と野党の間で対立が続いています。
28日と29日に開かれる予定の衆議院の政倫審。党内からは、安倍派の座長を務める塩谷氏など5人が出席を申し出ていますが、焦点は「公開」か「非公開」か。 26日の衆院予算委員会では“元総理”立憲民主党、野田佳彦衆院議員が“現総理”に「公開を指示するべき」と対応を求めましたが、それに対し「国会で判断すること」と繰り返す岸田文雄総理。 質疑時間も、野党側は1人当り90分を要求しているのに対し、自民党は半分の45分を求めています。 そして「完全非公開」を求めていた自民党側は、午後からの政倫審幹事の会談で一歩譲歩し「議員だけ傍聴」する形での開催を求めました。
「自民党は小出し小出し。国民が“忘れる”のを待っているとしか思えない」
政倫審をめぐる自民党側の対応について、ABCテレビのコメンテーター・木原善隆さんは次のように話します。 「自民党が最初に言った『完全非公開』なら、議事録も残さないので、やる意味ないですよね。さすがに『議員だけ傍聴』という形で譲歩しましたが、そうするとメディアは傍聴した議員に話を聞いて伝えることになるので、それなら公開してやればいいという話です」 「自民党は、譲歩を小出し小出しにしているんですね。まずは『政倫審はやりましょう』と、次は『非公開』で反発されたら『議員だけ傍聴』という形で、先延ばし先延ばしにしています。政倫審をやると決めたのは予算案を通すための材料です。予算審議は来月まで続くので、野党との攻防の材料として小出し小出しにしてるわけです。誠実な態度ではないし、時間稼ぎをするのは、国民の怒りが収まって、問題を忘れるのを待ってるとしか思えません」 「大事なのは『怒りを忘れない』ことです。自民党が野党の言うことを聞くのは、予算案や法案を通したいときなので、今後手のひら返しをする可能性もあります。与党が国民の声を聞くのは選挙の前です。4月には衆議院の補選があるので、そこまで怒りを忘れないでおきたいと思います」
自民党の政治資金問題で、派閥からのキックバックを収支報告書に記載していなかった国会議員は「辞職する必要がある」と考える人が65%に上ることがANN世論調査(24、25日に実施)で分かりました。 また、岸田内閣の支持率は20.6%と、政権発足以来ワースト2です。 (『newsおかえり』2024年2月26日放送分より)
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