派閥をなくしても“形を変えて存続”の可能性も… 注目される自民党刷新本部「中間とりまとめ」 派閥パーティーや人事介入の禁止どこまで踏み込める?
派閥による政治資金問題をめぐり、派閥の解散を表明した岸田文雄総理。安倍派・二階派も解散を決断する中、21日夜、派閥を存続させたい麻生副総裁と岸田総理が緊急会談をしていたことがわかりました。「解散」と「存続」。派閥ごとに対応が分かれる自民党はこの先、どうなるのでしょうか? 不記載額が約6億円にも上るという安倍派をはじめ、岸田派、二階派は解散に向かうという発言がありましたが、一方の慎重派が麻生派、茂木派、森山派となっています。 政治ジャーナリストの伊藤惇夫さんによると、ポイントになりそうなのが25日の中間とりまとめになるのではということです。21日と22日に自民党で行われる政治刷新本部を踏まえて、今週木曜の25日に中間取りまとめが発表される予定となっています。 翌日は通常国会の召集があり、中間とりまとめの中で「派閥のパーティーの禁止」や「派閥による人事介入の禁止」といったところに、どこまで踏み込めるか注目が集まりそうだといいます。 ただ、どれほど重たい派閥のルールを決めたとしても“抜け穴”があるといいます。例えば、派閥のパーティーを禁止したとしても、「個人パーティー」は開催できるということになれば、結果的に同じ構図になってしまうと伊藤惇夫さんは指摘します。 今回のこの“派閥解散”の動きに対して、特に麻生派と茂木派は“うちの派閥は悪いことしてないのに”と不満がある状態です。 派閥をめぐって自民党は大きな岐路に立っています。
自民党は30年前にも“派閥解消”を打ち出したはずが…
この派閥解消の動きというのは実は過去にもありました。伊藤惇夫さんは「派閥が解散しても形を変えて残るのではないか」とも指摘します。 リクルート事件などで“政治とカネ”をめぐるスキャンダルが相次いだ結果、1993年に自民党は野党に転落しました。その次の年に自民党として、党としての決め事で派閥解消の方針を打ち出しました。 ところが、半年後に政策集団という形で活動を再開して結果的に派閥になりました。そのため、解散しましたが、その期間は本当にあっという間だったということになります。 「派閥の解散」については、二階俊博・元幹事長も19日の会見で「人は自然に集まる。『派閥解散だからあっち行け』とは言えない」などと話していて、今後派閥が残りそうな空気感もあります。
木原義隆コメンテーター: 「まさに30年前に解散すると言って結局、元の木阿弥で、今回だってそうならない保証はないわけですよね。ある意味、二階元幹事長が言っていることも真理で、人が集まれば派閥はできます。派閥が悪いことをしないように、単に政策の近い人たちが集まって政策を作るためだけの集団にすることが大事です。金とか人事を絡ませない、そういった改革をできるかどうかだと思います」 (『newsおかえり』2024年1月22日放送分より)
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