【解説】”パーティー券問題” 捜査の手は政治家まで及ぶか 安倍派からキックバックの不記載認める議員も 国会閉会で今後どうなる? 元衆院議員の金子恵美さんがやさしく解説
自民党・安倍派(清和政策研究会)の政治資金をめぐる、いわゆる”パーティー券問題”が浮上する中、13日に国会は閉会日を迎えました。 安倍派では、パーティー券の売り上げでノルマを超えた分のキックバックが、5年間で総額約5億円あったとされています。一時は閣僚や副大臣、政務官から安倍派を"一掃"するという報道もありましたが、キックバックを受けていないと主張する安倍派の議員がいたことから反発が相次ぎ、留任する人もいる模様です。 人事や東京地検特捜部による捜査などが取りざたされる中、国会は閉会。この先のポイントについて、元衆議院議員の金子恵美さんと考えます。
”安倍派一掃”で党内に亀裂? 今後の人事は無派閥議員に注目か
Q.安倍派は党内の最大派閥で、"一掃"ということになると党内に亀裂が入ることなども考えられます。今後の人事はどのようになるでしょうか? (金子さん) 「”一掃”という話が出たときに、安倍派からすごく反発があったと聞いています。まだ疑惑の段階であり内容も確定していない中で、安倍派というだけで排除するのはいかがなものかということです。ただ、今国民から厳しい目が向けられているのは派閥政治そのものです。そうしたなかで、無派閥の議員の存在感が増してくるかもしれません」
政策活動費とは・・・ 使途の公表義務が無いお金
13日午後、安倍派の池田佳隆衆議院議員が不記載を認めました。4000万円のキックバックを受け取っていたのではないかと報じられていましたが、池田議員は約3200万円が不記載だったとして、政治資金収支報告書を訂正しました。
Q.『政策活動費』とは一体どういうものなのでしょうか? (金子さん) 「政策立案や調査研究を行うことを目的に政党から政治家個人に支出されるもので収支報告書に載せなくてもよいお金です。使いみちを公表しないところが以前から問題視されていました。私と池田さんは同期なのですが、驚いたのは、安倍派では派閥の方から”収支報告書に記載しない”よう指示があったということです。自民党議員は派閥から言われてしまうと従ってしまう面があります。私が所属していた二階派では、きちんと収支報告書に載せるよう言われていましたが、安倍派ではそうではなかったということで、一議員がそれに抗うのは難しかったと思います」 (木原善隆・ABCテレビコメンテーター) 「つまり、派閥ぐるみで裏金作りをやっていたということですよね。おそらく池田議員は、捜査の手が自身に及んできたので『このままでは危ない』と考え、先に手を打ったということでしょう。今後、危ない議員は次々と同じ言い訳をしだすんじゃないでしょうか。」
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