矢部太郎「僕が世界中の歯ブラシを集めるわけ。父親を反面教師に、歯はちゃんと磨こうと思った。一度使うと戻れないから、電動歯ブラシは未経験」
漫画家、俳優としての顔も持ち、多彩に活躍しているお笑い芸人の矢部太郎さん。20年ほど前から集めているのは、世界各国の歯ブラシだと言う。歯磨きしている人を見るのも好きだそうで……!?(構成=上田恵子 撮影=本社・武田裕介) 【写真】金のメッキが施された、お金持ちっぽい歯ブラシを持つ矢部太郎さん * * * * * * * ◆「幸せそうな顔」で磨いてしまう いまはNHK大河ドラマ『光る君へ』などに出演させていただいています。仕事先にも携帯用の歯磨きセットを持参し、ご飯を食べた後とか、舞台に出る前、口をサッパリさせたいときなどに磨きますね。 歯ブラシ収集が好きな僕ですが、歯を磨くのも同じくらい大好き。周囲からよく「ものすごく幸せそうな顔で歯を磨いてるね」と言われます。 歯を磨くと口の中が爽快になるのはもちろん、歯茎のマッサージにもなって気持ちがいい。そう、「気持ちいい」というのが一番大きいですね。 ちゃんと磨いたら磨いたなりの結果が出るところも歯磨きの楽しさだと思います。 1000本の歯ブラシは、基本的に大事に保管していて、試したいブラシを使うこともありますが、日常的に使っているのは、どこのドラッグストアでも手に入る一般的な歯ブラシです。 いま愛用しているのは、ライオンの「クリニカ」で、柄の部分を強く握り過ぎると「カチッ!」と音がするタイプのもの。力の入れ過ぎを知らせてくれる機能がすごいなと。とても気に入っています。
<矢部太郎さん選・ユニーク歯ブラシ BEST 5> 3.Tepe金のメッキが施された、お金持ちっぽい歯ブラシ。 スウェーデンで2000円くらいだったかと。 朝は、普通に磨くだけですが、夜はすこし時間をかけて丁寧に。まずデンタルフロスで歯間の汚れを落とし、その後タフトブラシという、ボールペンの先端のような円錐形にとがった細いブラシで、歯の周囲をきれいにしていきます。そして最後に歯ブラシで磨いて終了です。 歯ブラシは、常備している何本かをその日の気分で使い分けて、先がヘタってきたら取り替えます。ブラシのタイプとしてはやわらかめが好きですね。 歯医者さんで、3ヵ月に一度、クリーニングを受けるときに磨き方を指導してくれるので、家でもちゃんと丁寧にやっています。 歯医者さんで磨いてもらうのも好きですし、人が歯磨きしているのを見るのも好きです。え? ヘンですか? 人それぞれやり方が違うので、「なるほど、ああやって歯ブラシを持つのか」とか「力強い磨き方だな」とか、眺めちゃうんです。(笑) そのいっぽうで、歯磨き粉に対するこだわりは、とくにありません。いま使っているのはフッ素を多めに配合したタイプで、なんとなく歯にいいのかなと思って選びました。好みで言うとミントなどオーソドックスな風味がいいですね。 電動歯ブラシは使ったことがないんですよ。試してみたい気持ちは山々ですが、一度使うとずっと使い続けてしまう気がして、それでは歯ブラシに申し訳ないなあと(笑)。 メガネが好きな人が、便利だとわかっていてもコンタクトレンズにしないのと同じなのかもしれません。