矢部太郎「僕が世界中の歯ブラシを集めるわけ。父親を反面教師に、歯はちゃんと磨こうと思った。一度使うと戻れないから、電動歯ブラシは未経験」
◆一日でも長く歯を守っていきたい うちは父が歯が弱く、僕が子どもの頃にはすでに部分入れ歯だったので、幼いときから反面教師として「歯はちゃんと磨いたほうがいいな」と思っていました。 母からも「歯は大事にしなきゃね」と言われていましたし。僕自身は、虫歯を治療した跡はありますが、全部残っています。いまのところ普通に噛めていて、顎関節症などもありません。 食事で噛む回数は普通ですが、食べるのが遅いので結構多めに噛んでいるかも。気になることがあるとしたら、唯一、年齢とともに歯茎が下がってきたことかな。 もしも歯磨きがおっくうだと感じている人がいたら、気持ちがアガるような歯ブラシに替えてみるといいかもしれませんよ。 「あの歯ブラシを使いたいから歯を磨こう」となればしめたもの。毎日のことなのでウキウキする気持ちってすごく大事だと思うし、ぜひ試していただきたいですね。お気に入りの歯ブラシが見つかったら、きっと歯にもやさしくできると思います。
<矢部太郎さん選・ユニーク歯ブラシ BEST 5> 4.ローリーブラッシュ(写真右)口の中で転がす、使い捨て歯ブラシはミント風味。 急なアバンチュール用だとしたら、イタリアっぽいです。 <矢部太郎さん選・ユニーク歯ブラシ BEST 5> 5.ローリング(Dr.Bauman’s スーパーブラシ)(写真左)ノルウェーの歯ブラシ。歯を3方向から囲むブラシが特徴。 1回のストロークで、上・表・裏が磨けました。 日本の歯ブラシは時代とともに進化していて、磨きやすさや汚れ落ちにものすごい工夫が見られます。たとえば介護している方が、お年寄りの歯を磨いてあげる際にやりやすくなるよう開発されたものとか、本当にいろいろなタイプの歯ブラシが出ています。 あとは、さきほども言いましたが、日本人の口に合わせて、ヘッドの部分が薄くなっていたり。そういう細かな気配りに気づくたびに、「日本の技術はすごいなあ」と感心してしまいます。 歯は健康な生活をするためには欠かせないものですし、しっかり手入れをするに越したことはありません。ですが、僕自身はというと、歯の健康のために歯を磨いているというより、「いつまでも歯を磨きたいから歯の健康を保っている」という気がしています。 せっかくたくさんの歯ブラシを集めているのに、入れ歯になったら、磨けなくなっちゃいますから……。なんだか動機が逆ですね!(笑) 一日でも長く、大好きな歯ブラシで歯を磨けるよう、これからも健康に気をつけながら、楽しく歯磨きをしていきたいと思います。 (構成=上田恵子、撮影=本社・武田裕介)
矢部太郎