【筑後鷹】二刀流に挑戦した育成の桑原秀侍 今宮から“野手道”学び一本で勝負!!
投打二刀流に挑戦していたソフトバンクの育成選手、桑原秀侍内野手(22)は4年目の今季から野手一本で勝負している。8月の2軍戦で公式戦初本塁打を放ったが、28試合出場で打率・164と苦しんだ。現在は打率アップを目指してバットを振る日々だ。来年1月の自主トレは昨オフに続いて今宮健太内野手(33)に弟子入りする予定。一流のエキスを吸収して飛躍の5年目につなげる。 11月15日まで筑後ファーム施設で行われていた野手陣の秋季キャンプ。午後からの自由練習で桑原は1クールに1度のペースでロングティーを行うなど、打撃に力を入れる日々を過ごした。「上半身をちょっと使いすぎな部分があって。下半身を意識して、上半身の力を抜きながら打つ練習をしていた。何となく自分の形になってきた」と手応えを得た様子だった。 鹿児島・神村学園では19年夏の甲子園大会に4番打者として出場した。投手として入団したが、高校通算17本塁打の潜在能力を評価され、1年目のオフの21年から投打二刀流に挑戦。3軍戦を中心に奮闘していたが「野手で勝負したい」と今季から一本に絞ってバットを振ってきた。 今季は8月の2軍戦で1軍のマウンドも経験している阪神・門別から左中間に公式戦初本塁打を放ったのがハイライト。28試合出場で打率・164と納得いく数字は出せなかった。「真っすぐを捉えるスイングがしたい」と直球への対応が課題として残った。 3、4軍の非公式戦では101試合出場で打率・303、10本塁打、70打点をマークした。昨年の打率・286から進歩した。以前は追い込まれると凡打や三振と淡泊な打席が多かったが、「今年は粘ってヒットが出始めた。そういうところは成長かなと思う」と胸を張る。来季2軍戦でも発揮できるようになれば、打率は上がっていくはずだ。 勝負の5年目に向けて、来年1月には2年連続で“今宮塾”に入門する。1613試合に出場し、ゴールデングラブ賞5度の名手の練習を間近で見て、技術を吸収できる貴重な時間だ。昨オフも参加し、特に学んだのは取り組む姿勢だった。グラウンド整備では最後まで残り、丁寧にならしている姿が目に焼きついている。「野球だけじゃなくて、いろんな方に気配りができる方。凄く参考になることばかりでした。来年も学びたいと思っています」と成長のヒントを得るつもりだ。 「2軍で率を残すこと。あとは長打力をアピールしたい」。高い潜在能力を持つ背番号124が、限られた支配下枠を勝ち取るために大事な冬を過ごす。 (杉浦 友樹) ○…桑原は内野手登録だが、今季の2軍戦では外野が25試合出場と最も多く、二塁が3試合、三塁が1試合という内訳だった。ポジションへのこだわりは特にないようで「チャンスがあるところで勝負したい」と万能ぶりをアピールしていく。走塁面では今季の非公式戦で33盗塁をマークしたが、2軍では盗塁なしと脚力を発揮できなかっただけに、来季のアピールに燃えている。 ◇桑原 秀侍(くわはら・しゅうじ)2002年(平14)5月29日生まれ、熊本県出身の22歳。神村学園では2年夏の甲子園に出場。初戦の佐賀北戦は「4番・左翼」で2安打1打点と活躍し勝利に貢献。20年育成ドラフト3位でソフトバンクに入団。1メートル76、82キロ。右投げ右打ち。