進む円高、ドル円相場の行方は? 3つのポイントから読み解く
●1ドル113円中心に推移か
筆者は、ドル円相場は1ドル113円を中心としたレンジで推移すると予想しています。上述の通り、短期的には米長期金利の上昇を背景に円安が進む可能性は否定できませんが、前回の米利上げ局面において、初回利上げよりも早い時期に円安がピークを付けていたことなどを踏まえ、日米金利差拡大に着目した円安は早晩に賞味期限を迎えると判断しています。その材料の一つに市場参加者が利上げの天井を意識していることがあり、たとえばOIS金利は2年先1か月と3年先1か月が同水準に収斂しています(2年先1か月金利は、市場参加者が予想する「2年後」における「満期1か月」の金利)。ドル円相場においてFED(連邦準備制度)の利上げは上昇ドライバーの役目を終えるでしょう。
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