菅野智之の移籍交渉が大詰め…希望額は2年前の菊池雄星の4年約58億円以上もまだ届かず
ポスティグによる移籍交渉を続けている巨人の菅野智之(31)が、2年前に4年5600万ドル(約58億円)の契約で移籍したシアトル・マリナーズの菊池雄星(29)と同等、あるいは、それ以上の条件を求めていることが7日、明らかになった。米メディア「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者が、現在の交渉状況を伝えたもの。同記事によると菅野サイドが希望している条件は、2019年に同じくポスティングで西武からマリナーズに移籍した菊池の金額と同レベル、あるいは、それ以上で、同記者は、菊池の当時の契約金額を4年5600万ドル(約58億円)、ポスティング費1027万5000ドル(約10億6000万円)とした。 菊池の契約は、3年4300万ドル(約45億円)をベースにしたもので3年(2021年)終了時に菊池サイドと球団サイドにそれぞれオプションがある。菊池サイドのオプションは1年1300万ドル(約13億4000万円)だったため、総額で5600万ドル(約58億円)と記したと考えられる。 ただ同記者によると、現在、その希望額に達するオファーを提示している球団はなく「ブルージェイズが強気の提示をしているようだが、現状はその希望額に達していない。菅野は、まだ決断に向かっている途中だが、巨人に留まる可能性がある」と伝えた。 同記者は、敏腕で知られ、今オフも日ハム有原航平(28)のポスティングによるレンジャーズ移籍をツイッターでスクープしており情報は信頼に値するだろう。 当初はWBCの準決勝のアメリカ戦でも結果を残している菅野に8球団が興味を示し、水面下で争奪戦が繰り広げられていたが、ダルビッシュ有のトレードを成立させたパドレスや、トレバー・バウアー、田中将大、ジェイク・オドリッジらにターゲットを変更したメッツなどが、次々と撤退。新型コロナの感染の拡大が、各球団の経営に打撃を与えているという状況もあり、FA市場は活発化しておらず、菅野の巨人残留説が浮上していた。 巨人も菅野に4年契約を提示。しかも1年ごとに菅野がメジャー移籍を希望すれば、契約を破棄できる、日本の球団では珍しい「オプトアウト」条項がついているため、「1年待ってメジャーが正常化してから好条件で移籍したほうがいいのでは」という声も出ていた。 ただ、その中でブルージェイズは、菅野の獲得に熱心だ。 昨年は巨人から山口俊をポスティング交渉で獲得、阪神からもドリスを獲得した。そのドリスは、防御率1.50、5セーブと結果を残したため、NPBで活躍した選手への信頼が厚い。ブルージェイズのローテーションは、今季、防御率2.69、5勝2敗だったエースの柳賢振、防御率6.00、1勝0敗ながらも有望選手とされているネイト・ピアーソンが軸になるが、そこに続く3、4番手の先発候補が不在で、菅野はチームの補強ポイントにピタリとあてはまる。 ロス・アトキンスGMは、菅野の調査を進めてきたプロスカウトのライアン・ミトルマン・ディレクターと国際スカウトのアンドリュー・ティニッシュ編成部副本部長の“目”を信頼しているという。 ブルージェイズが、今後、歩みよりを見せるのか。デッドラインのギリギリに4年5600万ドル(約58億円)という菅野サイドの希望額以上の条件をオファーする球団が現れるのか。それとも最終的に条件を満たす球団が現れず、急転、巨人残留という結論に至るのか。ポスティングの期限は、東部時間7日の午後5時(日本時間8日午前7時)。菅野の移籍交渉は大詰めを迎えている。