新庄剛志氏が新潟アルビレックスの入団オファーをSNSで“お断り”も元阪神同僚の新監督は「あきらめない。自然体で待つ」
BCリーグの新潟アルビレックス・ベースボール・クラブが出していた獲得オファーに対して、元阪神、日ハム、メジャーリーグでプレーした新庄剛志氏(48)が24日、インタグラムで反応、“入団お断り”ともとれるメッセージを発信した。新潟アルビレックスBCにクリスマスプレゼントは届かなかったが、球団への問い合わせや激励の電話、メールなどの反響が凄まじく、この日、監督就任が発表された楽天、巨人、西武などでコーチを務めた橋上秀樹氏(55)は、「あきらめず。自然体で待つ」との姿勢を明らかにした。チームは登録枠を一つ空けたまま、来年4月10日開幕のシーズンを迎える方針。すでに次の目標に切り替えている新庄氏が急転、翻意する可能性は薄いが、球団は新潟県民の願いに誠意をもって応えたいとの姿勢だ。
「僕は多分48歳なので、すいませんが」
新潟アルビレックスBCの球団事務所の電話が鳴りやまなかった。 24日に「THE PAGE」が「新潟が新庄氏獲得オファー」と報じたタイミングと、この日、2000年には阪神で1年間、新庄氏とチームメイトだった橋上氏の10年ぶりの監督復帰が発表されたことが重なったこともあり「新庄選手と同じ阪神OBの橋上さんのツテで本当に来るんじゃないか」「絶対に入団を実現して欲しい」「北海道の次に新潟の野球界を元気にして」などの電話やネットでの問い合わや激励が殺到したという。 新潟アルビレックスBCは、新庄氏が7日に参加した12球団トライアウトでの動きをチェック。14年ぶりの実戦だというのに、いきなり143キロのストレートに対応、走者を一、二塁に置いた場面では、チャンジアップに反応してタイムリーヒットを放つなどした48歳とは思えぬ新庄氏の攻守にわたる実力と、トライアウトの話題を独り占めした、その影響力をも高く評価して、すぐさま知人を通じて獲得オファーを出した。 戦力としては、もちろん、新庄氏の入団で、新潟アルビレックスBCだけでなく、BCリーグにスポットライトを集め、新潟の地から子供たちに夢を与えたい、との狙いをもっての真剣オファー。「うちでプレーしながらNPBのオファーを待てばどうか」とも間接的に伝えていた。阪神を今季限りで引退した藤川球児氏がメジャーへの挑戦後、四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスでプレーしたのちに阪神に復帰した例もある。 新庄氏が、NPB入団を目標に掲げていたことと、新潟アルビレックスBCのオファーを売名行為ととらえられたくないため、ここまでオファーの事実を公表せず水面下で動いていたが、それが表沙汰になったことで、想像以上の反響が新潟だけでなく全国の野球ファンからチームに届いた。 ここまで新庄氏からチームへの返答はなかったが、「THEPAGE」の報道に、この日、自身の公式インスタグラムで反応。コミカルな映像動画に「新潟県アルビレックスさん 僕は多分48歳なので、すいませんが」と、ペコリと頭を下げている絵文字を添えて“入団お断り”とも取れるコメントを発信した。暗にBCリーグは、48歳の選手がプレーする場所でなくNPB入りを目指す若い選手が躍動する場所ーーとの考えを示唆したのだろう。律儀で筋を通す新庄氏らしい対応だった。