なんで体って痒くなるの?
考えてみると年がら年中何かしら痒くないですか? 皮膚って結構トラブル多くないですか? 滑らかじゃないとか、ひどい日焼けをしたり、はたまた発疹や痛みを発症したり、悪いケースでは癌にもなったり。 でもその中でも、一番誰もが経験しているいやーな気持ちになるものといえば「痒み」。掻けば治るものから、血が出るほど掻いても落ち着かないものまでいろいろです。でもなんで私たちの体は痒くなるんでしょう? その進化の目的はなんなんでしょう? 人類の長い歴史で、痒みは何を達成するために発達していたことなのか、そしてこの痒みの感覚はどこから来るのか? 今週のGiz Asksでは、痒みについて何人かの専門家に連絡を取り、痒みの謎を掘り下げてみました。
Ethan Lerner氏
マサチューセッツ総合病院の准生物学者(皮膚科)、および痒みの感覚の根底にあるメカニズムを理解し、効果的な抗痒み療法を開発することを目標とするラーナー研究所の所長。 痒みに関するこれまでの理解は、虫や環境的な刺激を取り除くための感覚というものです。この概念は多く支持されていますが、私は問題点がいくつかあるように感じています。最も一般的な痒みのひとつが蚊に刺されたときのものですが、蚊がいることに気づくときには、すでに蚊は飛んでいってしまっているからです。 多くの人が痒みの理由が、免疫システムを刺激して活性化させ、そこに存在すべきでないものがあることを認識するためだと考えています。免疫システムを活性化させるのは神経系の働きで、神経系と免疫系、そして私たちを守る皮膚の壁との間の密接な関係のひとつです。 次に、なぜ痒いときに掻くと気持ちいいのかという疑問。もちろん、すべての痒みが心地よいわけではありませんが、多くの場合気持ちがいいですよね。 たとえば、乾燥肌の人がシャワーを浴びて皮膚を掻くと、本当に気持ちがいいようです。気持ちがいい理由のひとつは、掻くことによってさらに免疫システムを活性化させ、適切な信号を確実に受け取ることができるからです。