海底火山「福徳岡ノ場」の噴出物公開 気象庁
8月13日に噴火し、新しい島を誕生させた小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」。気象庁はこのほど、同庁の海洋気象観測船「啓風丸」が採取した、噴火時に飛散した噴出物の軽石を公開した。 軽石は、福徳岡ノ場の約300キロ北西の海面に漂っていたものを採取した。直径約40センチ、重さ約5キロで、色は灰色っぽく、表面にはたくさんの気泡がある。分析の結果、同じように新しい島ができた1986年の噴火時の噴出物の成分とよく似ていて、とても脆いという。 今年8月の噴火では、噴煙が最大約1万6000メートル上がり、噴出物が周辺に堆積したことで、新たに東西に2つの島ができた。国土地理院が、噴火後の8月17日に撮影された衛星画像を解析したところ、西側の島は外周約2.5キロ・面積約0.3平方キロ、東側の島は外周約1.5キロ・面積0.1平方キロ未満だった。しかし、9月5日の衛星画像の解析では、西側の島に大きな変化はなかったが、東側の島は確認できなくなっていた。 1986年の噴火時にできた島は波の浸食によってわずか数カ月で消滅した。最新の画像で確認できなくなった東側の島も、同じように波によって削られたとみられる。気象庁は、西側の島についても、最終的にはなくなってしまう可能性が高いとみている。