気象庁が「平年値」を10年ぶりに更新 年平均気温は全国的に0.1~0.5度高く
気象庁は24日、気温や降水量などを評価する基準となる「平年値」について、2021年5月19日から1991~2020年の30年間の平均値を使った「新平年値」を使用する、と発表した。現在は、1981~2010年の30年間の平均値が使われているが、10年ごとの更新時期にあたるため、新しい平年値を作成した。 新平年値では、現在の平年値と比べ、年平均気温が全国的に0.1~0.5度程度高くなる。真夏日(日最高気温30度以上)の年間日数も東日本~沖縄・奄美の多くの地点で3日以上増加するほか、猛暑日(日最高気温35度以上)も4日以上増える地点がある。また、降水量は、夏の西日本や秋と冬の太平洋側の多くの地点で10%程度多くなるという。このほか、さくらの開花については、ほとんどの地点で1~2日早くなる。 一方、台風の発生数や日本への接近数、上陸数に大きな変化はなく、梅雨入りや梅雨明けの時期についても大きな変化はない。 気象庁によると、日本の平均気温は1980年代後半から急速に上昇しており、その背景として、温室効果ガスの増加による地球温暖化の長期的な昇温傾向などのほか、地点によっては都市化の影響が考えられるとしている。 平年値はその時々の気温や降水量、日照時間の評価だけでなく、冷夏、暖冬、少雨、多雨などの天候を評価する基準としても利用される。