宮城県沖の地震で気象庁が会見 津波は「ギリギリ起きず」
5月1日午前10時27分ごろ、東北地方で強い地震が発生し、宮城県大崎市、涌谷町、石巻市で震度5強を観測したほか、北海道から近畿にかけて震度5弱~1の揺れを感じた。気象庁によると、震源は宮城県沖で、震源の深さは51キロ(速報値の約60キロから更新)、地震の規模を示すマグニチュード(M)は6.8(速報値の6.6から更新)と推定される。 地震発生を受けて午後0時半から記者会見した束田進也・地震津波監視課長は「地震発生から1週間程度は最大震度5強程度の地震に注意してほしい。特に発生後2~3日程度は、強い揺れをもたらす地震が発生することが多くある」と話したほか、「揺れの強かった地域では落石やがけ崩れの危険性が高まっているので、今後の地震活動や降雨に注意してほしい」と警戒を呼びかけた。 なお、津波については「地震の規模などから、ギリギリ起きなかった」という。 気象庁によると、今回の地震発生のメカニズムは、断層面に向かって押し合う力によって地盤がずれ動く逆断層型で、海のプレートと陸のプレートが接するところで発生したプレート境界型地震だという。宮城県沖では、今年3月20日にも同様のメカニズムで最大震度5強を観測する地震が発生しているが、今回の地震とその地震の震源は約40キロ離れており、関連はわからないという。 なお、気象庁は、東日本大震災を引き起こしたM9.0の巨大地震・東北地方太平洋沖地震の発生から10年が経過したことを区切りに、今年4月から巨大地震の余震域で発生した地震を「東北地方太平洋沖地震の余震と考えられる」と表現するのをやめている。ただ、この巨大地震の余震域の地震活動は、10年前より落ち着いてきているものの、依然として巨大地震が発生する前よりは活発な状態にあるという。 また、この今回の地震が発生した海域は、巨大地震の有無にかかわらず、もともとM7を超えるような規模の地震が発生することが想定されているところでもある。 このため、今回の地震が東北地方太平洋沖地震の余震かどうかに関係なく、今後も大きな地震や津波に対して備えを万全にしておくことが重要だ。