大雨・洪水警報の危険度分布の愛称「キキクル」に 気象庁
気象庁は17日、土砂災害や洪水など、大雨による災害が発生する危険が迫っていることを地図上で確認できる「大雨・洪水警報の危険度分布」の愛称を「キキクル」に決めた、と発表した。昨年秋から愛称を公募しており、1271件の応募の中から鹿児島県曽於市の小学6年生、濱田あす華さん(12)の案を採用した。 気象庁の長谷川直之長官は「危機が迫っている、危険が迫っていることを端的に表すいい名前だと思う。短くて、覚えやすい、というところが、選考過程で評価された。『アメダス』や『ひまわり』と同じように覚えてもらい、使ってほしい」と話している。 大雨・洪水警報の危険度分布は、雨量の予測データから算出した災害発生の危険度を地図上に色分けして表示するもの。危険度が低いほうから「黄(注意)→赤(警戒)→うす紫(非常に危険)→濃い紫(極めて危険)」の順。「濃い紫」が表示された段階では、重大な災害がすでに発生し避難が困難な状況となっている恐れがあることから、気象庁は「薄い紫」が表示された時点で速やかに避難の判断をするよう呼びかけている。 気象庁は2017年からホームページで大雨・洪水警報の危険度分布の情報提供を開始してきたが、認知度不足が課題だった。同庁の千葉剛輝・大気海洋部業務課長は「人の命を守るために有効な情報が広がらなかったため、よく知ってもらい、さらに使ってもらうために愛称を決めた。しばらくは『キキクル』という愛称と従来の名称『危険度分布』を、ホームページや記者会見などで並行して活用し、周知に努めたい」としている。