なぜ思春期になるとイライラする? 12歳から知っておきたい「感情のコントロール」
ただ、キレたとき、どういうふうにキレるかによって、そのあとの気持ちや行動、友だち関係などにも大きな影響が出ます。ですから「キレ方」には、少し注意しなければいけません。 たとえば、相手がいる場合、その相手に対してヒドいこと、わざときずつけるようなことを言ったりするのはよくありません。それが原因で、うらまれてしまうかもしれませんし、相手が心をいためてしまうかもしれません。それに、人のことを悪く言うと、自分自身が言われた場合のようにきずつくということをしめした研究もあります。 また、そういう場面を見かけたまわりの人も影響を受けます。他人が暴言をはかれるのを見ただけで、パフォーマンスが25%、創造性(何かを生み出す力)が45%も下がることが、アメリカ・ジョージタウン大学の研究者らの実験でしめされています。 また、キレてどなっている姿というのは、正直かなりおさなく見えてしまい、まったくかっこよくありません。そういう姿が高く評価されることは決してありませんし、評判を落とすだけです。 キレて暴言をはいたりすることは、本人をふくめ、結局だれも得をしないのです。「短気は損気」などということわざもあるくらいです。でしたら、キレたとしても、あとくされなく、まわりへの悪影響がないように、ゆっくり深呼吸でもして落ち着いて、冷静にこちらの不満や要望を伝えるほうがいいでしょう。 冷静に頭の中で状況を整理して、論理的に考えるようにしてください。そうすることで、感情に関わる脳の部位の活動がおさえられるので、いかりの気持ちもやわらぎます。
イライラしたら行動を修正するチャンス!
キレるまではいかなくても、イライラすると、何もかもがイヤになってしまい「もうやめた!」と投げ出したくなったりしますよね? 投げ出す理由は、たとえば「イライラしてやる気がなくなったから」ということもあるでしょうし、あるいは「やらないことによって相手をこまらせてやりたいから」という場合もあるでしょう。 でも、それは幼児が駄々をこねる行動とまったく一緒です。12歳にしては、ちょっとおさなすぎる反応と言えます。幼児が、自分のしてほしいことを親がしてくれないと、ダメだとわかっているのに地面に転がって、手足をバタバタしたりします(そして余計に怒られる!)。 これは、ダメだとわかっているのに、わざと相手がこまることをして、自分の思う方向にことを進めようとしているわけです。 そうしたくなる気持ちはよくわかります。でも、そんなことしても、物事はうまく進みませんし、人間関係にヒビが入ることもあります。きっと、よい結果をもたらすことのほうが少ないのではないでしょうか? 感情はどうあれ、やらなければいけないことはきちんとこなしましょう。これが、成長とともに求められるようになってくる行動です。