なぜ思春期になるとイライラする? 12歳から知っておきたい「感情のコントロール」
勉強や人間関係など、様々な悩みが原因で、イライラしてしまうのは仕方ないことです。しかし、キレて周囲に八つ当たりすることは得策とは言えません。相手を傷つけたり、人間関係を悪化させたりするだけです。 【漫画】「他人の目が気になる・・・中学生の不登校は「思春期の繊細さ」が原因? この記事では、明治大学法学部教授・堀田秀吾さんによる書籍『12歳から始める心が折れない技術』からイライラを上手にコントロールする方法について解説します。 ※本稿は、堀田秀吾著『12歳から始める心が折れない技術』(秀和システム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
キレるのは仕方がない。問題はキレ方だ
ちょっとしたイライラするできごとで、感情が爆発してしまうことがあります。いわゆる「キレる」という状態です。 なぜ、人はキレてしまうのでしょうか? 主な理由はストレスです。ストレスがたまると、ちょっとしたことでイライラしやすくなって、キレやすくなります。 脳には、感情をコントロールする「前頭前野」という部位があります。ストレスやつかれによって、この部分がうまく働かなくなると、感情をコントロールできなくなり、キレやすくなります。 もちろん、生まれつきキレやすい性格の人もいます。また、おさないころに親からどなられたり、暴力をふるわれたりした経験があると、キレやすい性格になることがあると言われています。 中学生になると、心にも体にも大きな変化が起こります。さまざまな悩みや迷い、心の中での戦い(「葛藤」と言います)をかかえやすい時期です。 成績が上がらずあせりを感じたり、友だちとくらべて自分ができていないと感じたり、友だちとうまくいかなかったり、家族とケンカしたり、部活がきついと感じたり、自分の体型や顔にコンプレックスを感じたりします。 ほかにも、睡眠不足やホルモンバランスの変化など、さまざまな原因で心が不安定になりがちな時期です。ですから、キレやすくなってしまうのは、ある意味、仕方がないことなのかもしれません。