「新NISA」4つの特徴を改めて確認!つみたて投資枠で「月3万円×年率3%×30年間」の積立投資もシミュレーション
新NISAのポイントを整理
新NISAのポイントを、旧NISAからの変更点を踏まえて整理してみましょう。 ・非課税保有期間が無期限に ・制度(口座開設期間)が恒久化 ・つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能 ・年間投資上限額が増える ・非課税保有限度額(総枠)が新設される ・非課税保有限度枠(総枠)の再利用が可能 旧NISAでは、口座開設時点で「一般NISA」または「つみたてNISA」のどちらか一方しか選べませんでした。しかし新NISAでは「成長投資枠」「つみたて投資枠」の両方を一つの口座で利用できます。 また旧NISAは非課税保有期間(一般NISA:5年、つみたてNISA:20年)が定められていましたが、新NISAではこれが無期限となり、口座開設期間も恒久化されています。 投資可能額は、それぞれの枠で下記のように拡大しています。 ・(旧)一般NISA:120万円→(新)新成長投資枠:240万円 ・(旧)つみたてNISA:40万円→(新)つみたて投資枠:120万円 旧一般NISAの非課税保有限度額は600万円、つみたてNISAでは800万円でした。新NISAではこれが大幅に拡充され、「非課税保有限度額(総枠)」は1800万円(うち成長投資枠が1200万円)に設定されています。 さらに「非課税枠の再利用」が可能となったことで、新NISAは生涯にわたって活用できる制度になったと言えるでしょう。そのメリットを最大限に生かし、上手に資産づくりを進めていけると良いですね。 たとえば「リスク分散を優先し、まずは積立投資枠のみを利用する」「積立投資を続けながら、株主優待を狙って個別株にも挑戦してみる」といったように、それぞれの投資スタイルや目的に応じた活用が可能となるでしょう。
新NISA「つみたて投資枠」で積立投資「月3万円×年率3%×30年間」のシミュレーション
積立投資は、少額から気軽に始められるため、資産運用初心者にとっては取り組みやすい選択肢かもしれませんね。 ただし個別株とは異なり、積立投資では運用益がどのように生まれ、どのように増えていくのかがイメージしづらいと感じた方もいるでしょう。 そこで今回は、「月3万円を積み立て、年率3%で30年間運用できた場合」、資産がどのように成長するのかをシミュレーションしてみました。 ●積立投資「月3万円×年率3%×30年間」のシミュレーション結果 元本・運用収益:総額 ・開始:0円 ・2年目:72万円・2万1085円:74万1085円 ・4年目:144万円・8万7936円:152万7936円 ・6年目:216万円・20万3382円:236万3382円 ・8年目:288万円・37万422円:325万422円 ・10年目:360万円・59万2243円:419万2243円 ・12年目:432万円・87万2228円:519万2228円 ・14年目:504万円・121万3969円:625万3969円 ・16年目:576万円・162万1280円:738万1280円 ・18年目:648万円・209万8210円:857万8210円 ・20年目:720万円・264万9060円:984万9060円 ・22年目:792万円・327万8393円:1119万8393円 ・24年目:864万円・399万1058円:1263万1058円 ・26年目:936万円・479万2199円:1415万2199円 ・28年目:1008万円・568万7281円:1576万7281円 ・30年目:1080万円・668万2107円:1748万2107円 上記を見ると、10年間積み立てを続けた場合、元本360万円に対し、運用益が59万2243円となり、合計で419万2243円になります。 さらに期間を30年間に延ばすと、元本1080万円が複利の力で加速度的に育ち、総額1748万2107円にまで成長します。この場合、運用益は668万2107円です。 積立投資の運用成績によっては、預貯金だけで資産形成をおこなうよりも効率よくお金を育てていくことに繋がると言えます。 ただし、通常の証券口座(特定口座や一般口座)を利用した場合、運用益には20.315%の税金がかかります。たとえば、約59万円の運用益から約12万円の税金が差し引かれれば、手取りの利益は約47万円にまで減るのです。 NISA口座を活用すると、この税金が非課税に。運用益をまるっと受け取ることができます。 冒頭でも紹介したNISAの最大のメリットを上手に活用したいものです。ただし、投資には元本割れのリスクが伴うことは、常に心に留めておく必要があります。これの点は税制優遇制度であるNISAにおいても変わりません。 また、運用結果は市場の状況を受けて変動します。将来の運用結果が約束されているわけではない点も心得ておきましょう。