【樫出恒代さんに40代読者が相談!】花粉症の症状を抑えるには、とにかく「免疫力を上げる」ことが正解?
免疫力は上がれば上がるほどいい、と信じていないだろうか?「でもそれは間違った思い込みなんです」とは、漢方ライフクリエーターの樫出恒代さん。「漢方では、上がり過ぎでも下がり過ぎでもない“中庸”(ちゅうよう)の状態を理想とします」とのこと。では、その中庸の状態にある目安とは? OurAge世代向きのセルフチェックを伺った。
<悩み>
花粉症やアレルギーがあるので、免疫力を上げること、食事ではカロリーを抑える事を意識しています。できるだけ症状が軽くなるよう、免疫力を上げていきたいのですが、漢方の観点では具体的に、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。(48歳・会社員)
<回答> 免疫は「上げる」「下げる」ではなく、正常に働いているかどうかが大切です。免疫が上がりすぎると、アレルギーにつながることも
いただいた内容から気になったのは、短い文面の中に、「免疫を上げる」というキーワードが二度も登場している点です。ここに相談者さんの誤解を感じたので、まずそこからお話をさせてくださいね。 実は漢方的観点では「免疫は上がりすぎると、アレルギーの原因になりやすい」と考えられています。上がり過ぎも下がり過ぎも、どちらかに偏った体の状態は、病気を作り出してしまう、ということ。そのため漢方では、偏りのない中庸の状態を理想としているのです。 免疫力が上がり過ぎているとき、人の体は異物をより敏感に察知します。花粉やハウスダストなどにも敏感に反応するので、鼻水や皮膚のかゆみなどで、それらを出そうとするしくみが働きます。反対に免疫が下がり過ぎている時は、風邪を引きやすくなります。熱が出るのは、ウィルスを体の外に出そうとしているためです。 つまり、免疫はただ上げればいい、というものではありません。無理に上げても、その人本来の免疫力のバランスが崩れてしまえば、健康とは言えない状態になるからです。
セルフチェックでわかる! あなたの免疫力は正常に働いていますか?
私はクライアントに対しても、免疫を上げようとか、下げようといった表現をすることはなく、いつも「自分の免疫を正常に働かせていきましょう」という伝え方をしています。免疫が正常に働いている状態とは、それぞれの人が本来持っている、自然治癒力がしっかりと働いているということ。漢方では、この自然治癒力の働きがとても重要だと考えられています。 では、自分の体の免疫力は正常に働いているのかどうか? それは、次の簡単なセルフチェックからでもわかります。