初選出4人も…なぜ森保J代表にワクワク感を抱けないのか?
3連勝中の森保ジャパンはサウジアラビアに次ぐグループBの2位に浮上して、年内のアジア最終予選を終えた。2位以内が無条件でカタールワールドカップ出場権を獲得するなかで、しかし、3位のオーストラリアとの勝ち点差はわずか1ポイントだ。 まずは7大会連続7度目の本大会出場を決めるために、森保監督も「アジア最終予選を勝ち抜く上で、継続路線は間違いなくベースとしてある」と認める。継続路線とはすなわち、いい意味でも悪い意味でも指摘されてきたチーム内の序列となる。 招集したメンバー全員がそろうのが試合直前という状況が、アジア最終予選ではほとんどを占めてきた。 練習時間も満足に取れないなかで、築かれてきた序列を重視せざるをえないチーム作りは理解できる。ウズベキスタン戦が組まれた最大の目的が、オフ明けの長友、酒井、大迫、権田の調整に置かれるのは当然だろう。 実際、ウズベキスタン戦の直後にはアジア最終予選へ向けたメンバーがあらためて発表される。それならば、今回のメンバーにはもっと新鮮味を加えてもよかった。 例えば世代交代が求められて久しい左サイドバック。長く牙城を築き上げてきた大ベテランの長友に、東京五輪代表の中山雄太(24・ズヴォレ)が挑む構図が生まれつつあるなかで、今回は競争をさらに激化させる人選も可能だった。 左サイドバック枠で招集されたとみられる佐々木翔(32・サンフレッチェ広島)は、今シーズンのJ1リーグで30試合に出場。実績は十分であり、3バックを採用した場合には左ストッパーとしてもプレーできるユーティリティーさも兼ね備えている。 しかし、コンスタントではないにせよ、これまでも佐々木は森保ジャパンに招集されてきた。その軌跡を踏まえれば、栃木SCからステップアップを果たした浦和で、左サイドバックを主戦場として一気に台頭した23歳の明本考浩や、名古屋グランパスでコンスタントに活躍した31歳の吉田豊を初招集するチャンスでもあった。 通常はベンチ入りできる3人が招集されてきたゴールキーパーも、今回は権田と東京五輪代表の谷晃生(21・湘南ベルマーレ)の2人にとどめられた。 「ウズベキスタン戦だけというなかで、練習を含めてできるだけ余剰選手が一人も出ないように、ということでこういった招集をさせていただいた」 森保監督の説明からは、来シーズンの開幕を控えた準備期間を迎えている各クラブに配慮した招集の跡が伝わってくる。4日間の事前キャンプで紅白戦を実施することも踏まえて、ちょうど2チーム分となる22人をリストに書き込んだのだろう。