三笘に窮地救われオマーンに1-0勝利で2位浮上も森保采配に残る疑問と不安
鮮烈なデビューを果たしたドリブラーが、漂っていた沈滞ムードを吹き飛ばして待望の先制点をもたらし、日本代表の勝利とグループBの2位浮上をも導いた。 カタールワールドカップ・アジア最終予選の第6節が日本時間17日未明に行われ、日本は敵地マスカットのスルタン・カーブース・スポーツコンプレックスで、9月の初戦で敗れたオマーン代表を1-0で撃破。3連勝で勝ち点を「12」に伸ばして、中国代表と1-1で引き分けたオーストラリア代表を抜いてグループBの2位に浮上した。 ともに無得点で迎えた後半36分に、後半開始から投入され、A代表デビューを果たしたMF三笘薫(24・ユニオン・サンジロワーズ)がペナルティーエリア内の左サイドを得意のドリブルで突破。ファーサイドへ飛び込んできたMF伊東純也(28・ヘンク)の、ベトナム代表との第5戦(11日・ハノイ)に続く決勝ゴールをアシストした。 年内の戦いをすべて終えたアジア最終予選は、勝ち点を「16」に伸ばしたサウジアラビア代表がグループB の首位をキープ。4ポイント差で2位につける日本、さらに1ポイント差で3位のオーストラリアによる三つ巴の争いにほぼ絞られ、来年3月末までに行われる残り4試合で、カタール行きの切符を無条件で手にする2位以内を目指す。
途中投入の三笘薫がドリブルで殊勲のアシスト
前だけを見ながら迷わずに仕掛けた。相手のペナルティーエリア内の左サイド。やや短かく、なおかつ弱かったDF中山雄太(24・ズヴォレ)からのパスを、右足を伸ばしながら必死に引っかけた三笘が、次のステップで力強く前へ抜け出していく。 オマーンの選手2人も必死に食いついてきたなかで体勢を崩し、最後は転倒しながら相手を抜き切る前に利き足とは逆の左足を一閃。低い軌道を描いたクロスは相手ゴール前を横切り、ファーサイドへ詰めてきた伊東のジャンピングボレー弾を導いた。 「薫(三笘)からいいボールが来たので、しっかり詰めようと意識していた。前線の選手なので得点に絡めるように、逆サイドにあるときにはサボらずに入っていこうと」 1-0で辛勝した11日のベトナム戦に続く決勝ゴールをマークした伊東が声を弾ませれば、A代表デビュー戦で大仕事を演じた三笘も殊勲のアシストを振り返った。 「雄太君(中山)がいいボールをくれたし、前にスペースがあったので飛び出して、中にクロスを上げれば何かが起こるんじゃないかと思っていた」 ハーフタイムを境に、森保ジャパンを支配していた閉塞感が一掃された。 流れを変えたのは、MF柴崎岳(29・レガネス)に代わって後半から投入された三笘。ファーストプレーで相手2人を抜き去り、左サイドを縦へ突破してペナルティーエリアの左横でファウルを誘発。5分には再びドリブルで左サイドを突破し、今度はゴールとは反対方向へ折り返し、MF遠藤航(28・シュツットガルト)のシュートを導いた。