「飲み会行くなら10日間空けて」 コロナ対策で都医師会・尾崎会長が呼びかけ
飲み会したら10日間は空けて次の飲み会に行って――。東京都医師会の尾崎治夫会長が10日の記者会見で、新型コロナウイルスの再拡大が懸念される冬場に向けて、都民にこう呼びかけた。 【図解】感染リスクが高まる「5つの場面」 分科会が提示
家庭内に持ち込まないためにも注意を
「コロナに年末年始休暇はない」と医療体制の充実を訴えた尾崎会長は、「医療機関も3月からずっと働き続けていたので年末年始は休みたいと思っているが、コロナの感染はかなり増えてくるのではないか」と今後の感染状況を不安視。「もしかしたら(1日の新規陽性者が)400、600といくと、医療崩壊、医療機関がさらに疲弊していく」と述べ、これ以上感染を広げないために、政府のコロナ分科会などが示す「感染リスクが高まる5つの場面」などを参考に、少しでもリスクを下げる対応を取ってほしいとした。 分科会では(1)飲酒を伴う懇親会(2)大人数、長時間に及ぶ飲食(3)マスクなしでの会話(4)狭い空間での共同生活(5)居場所の切り替わり――の5つの場面を高リスクの場面として例示している。尾崎会長は「飲食を伴うアルコールの入った飲み会」などの場で特に注意が必要だと指摘し、「エブリー10デイズ(Every ten days)」を心がけるように求めた。 これはどういうことか。尾崎会長は、ある飲み会で感染者が出た場合、コロナは発症までは4日から5日間かかり、発症の2日前から発症後5日間くらいまでが感染力の強い時期だと説明。「飲み会をして2日目くらいから10日目くらいまで、もしかしたら感染してしまう。発症する人は体調が悪いから分かるが、無症状の人からうつることもある」と警告し、「一度飲み会をやったら、10日休んでいただければ、まず感染は起きないのかなと思っている」と次の飲み会まで10日間は空けることを提案した。 飲み会の規模についても、そういった感染予防への意識を共有できるような「気の合った仲間」(尾崎会長)を前提に「5人以下が望ましい。大人数なら他の人がいない個室でやることを考えていただければ」とした。 都内のコロナの感染経路は「家庭内感染」の比率が依然として高い状態にある。猪口正孝副会長は「無症状の状況で家庭に持ち込んで感染している。家庭から他の家庭にうつっていく図式では多分ない」との見方を示し、「家庭に(ウイルスを)持ち込む人が感染しやすい場所でうつっているんだろう」と飲み会や会食などに参加する場合に注意を求めた。
発熱したら病院に行く前に「電話を」
尾崎会長はそのほか、発熱した場合に医療機関にかかる際の手順として「行く前にまず電話を」と呼びかけた。発熱患者を診察している立場として「(患者さんから)電話連絡がなくて、いつの間にか待合室にいて、実は熱が出ているというケースがある」。そういう状況だと、感染予防のために病院内の導線を分けても「意味がなくなる」と訴え、まず電話してから受診してほしいと述べた。