歌舞伎町・中州・ミナミ・栄・すすきの コロナ対応“夜の街”で明暗―西村担当相
西村康稔(やすとし)経済再生担当相は15日、記者会見し、全国の主要歓楽街における新型コロナウイルスの感染拡大策を、PCRの重点検査や、知事が店舗らに営業時間短縮要請を出した時期などを分析した結果を公表。地域ごとに「明暗」が分かれる結果となった。西村担当相は「できるだけ早期に感染者が増えそうだというタイミングを見つけて重点的なPCR検査を行い、緊急事態宣言のように幅広く休業要請を行うのではなく、ピンポイントでエリアを絞って業種も絞って時間短縮なり、休業要請を行うことが大事だ。何とか今月中に分析を行って分科会に報告ができれば」と語った。 【動画】歌舞伎町・中州・ミナミ・栄・すすきの、コロナ対応“夜の街”で明暗 分科会後に尾身会長と西村担当相が会見
今回分析の対象となったのは(1)東京・歌舞伎町(2)福岡・中州(3)大阪・ミナミ(4)名古屋・栄(5)札幌・すすきの――の5か所。
福岡・名古屋では時短要請が効果
西村担当相によると、福岡・中州は6月後半から7月に中州の店舗らに呼び掛けて重点的なPCR検査を行った。即応的な対応だったものの、「時期が早すぎて陽性者はゼロだった」と述べた。一方で、7月後半から陽性者数が増え始めたことに伴い人出が減り、さらに8月8~21日に営業時間短縮要請が出されたことにより感染者が減少した。 同じ傾向は名古屋・栄でも見られるという。人出自体は一定程度あったものの、陽性者が増えるにしたがって減り、8月に入って知事が営業時間短縮要請を出したことを契機に要請者が減り始めたという。栄に関してはPCRの重点検査は「そう多くない」(西村担当相)という。
歌舞伎町・ミナミ、重点検査で封じ込み
歌舞伎町とミナミは、PCRの重点検査を効果的に実施したことで感染拡大に歯止めを掛けた点が似通うという。 西村担当相によると、歌舞伎町での人出は「6月14日をゼロとした場合、ずっとこの間プラス。(地域で)感染が増えた7月に入って少し減ったが、8月にまた大きく増えた」と人手が大幅に減ったわけではなかったと説明。一方で、「(PCRの)重点検査を、歌舞伎町に広く呼び掛けて(略)6月途中から検査数を伸ばした。その効果が出て、陽性者の数が下がってきたんじゃないかとみている」のだという。 ミナミにおいても、「検査をかなり増やしたことにより人出がかなり減った」と述べた。
感染くすぶる「すすきの」
今回、西村担当相が挙げた繁華街の中で唯一感染拡大の抑え込みに「成功した」と言い切れなそうなのが札幌の繁華街すすきのだ。 「すすきのは人出が非常に高い状態が続いている。検査数も増やしていない。その結果、陽性者の数が大きく減ることなく続いている」 西村担当相は「重点的なPCR検査で陽性者を特定し、2次感染3次感染を防ぐ効果がある。しかし、(すすきのの場合)その検査も少なく、(営業)時間短縮要請がなかったので人出の数もマイナスにならなかった。このことが、北海道がずっとすすきのを中心に陽性者が出ている原因ではないかとみている」と語った。