感染リスクが高まる「5つの場面」 分科会が提示
政府は23日、有識者らによる新型コロナウイルス対策分科会(会長・尾身茂地域医療機能推進機構理事長)を開いた。その後の会見で、尾身会長は多くの自治体に対するヒアリングや国立感染症研究所での研究成果などを基に「感染リスクが高まる5つの場面」を提示した。 【動画】年末年始の休暇延長を議論 コロナ分科会後に尾身会長と西村大臣が会見
尾身会長は「(5つの場面で)全てを言い表しているわけではないが、感染リスク(が高く)、クラスターが起きる典型的な場面ということ」と指摘。政府に対して情報発信に努めるよう要望した。 5つの場面は以下の通り。 (1)飲酒を伴う懇親会 気分が高揚する。注意力が低下する。聴覚が鈍磨し、大きな声になりやすい。狭い空間に長時間大人数が滞在すると感染リスクが高まる。回し飲み、箸の共有が感染リスクを高めた例も報告されている。 (2)大人数、長時間におよぶ飲食 長時間におよぶ飲食、接待を伴う飲食、深夜のはしご酒は、短時間の食事に比べて感染リスクが高まる。大人数、例えば5人以上の飲食では大声になり、飛沫が飛びやすくなるため、感染リスクが高まる。 (3)マスクなしでの会話 マスクなしに近距離で会話することで、飛沫感染やマイクロ飛沫感染での感染リスクが高まる。例としては、昼カラオケなどでの事例が確認されている。車・バスでの移動でも、マスクがないとリスクが高まる。 (4)狭い空間での共同生活 狭い空間での共同生活は長時間に渡り閉鎖空間が共有されるため感染リスクが高まる。寮や部屋のトイレの共用部分での感染が疑われる事例が報告されている。 (5)居場所の切り替わり 居場所が切り替わるところが比較的感染リスクが高まるのではないか。例えば、仕事を事務の所でやっているときには間隔もあり、マスクをしている。ところが休憩時間に入ると、居場所が切り替わると気の緩みから感染リスクが高まる。休憩室、喫煙所も狭い。スポーツジムでも、運動している間は良いが、ふと更衣室などでは居場所の切り替わりで感染リスクが高まる。