支援してくれる大人が「怖かった」 そんな10代だった私が、7年ぶりに地元・石巻に戻ってきて #あれから私は
「どうせみんないなくなる」そう思っていた地元に、残ってくれていた人たち
――7年ぶりに地元に戻ってきた感想は? 山田はるひさん: すごく安心しました。横浜でずっとひとりだったから、自分のことを知っている人がいるというだけでホッとして。震災復興をきっかけに石巻にやってきてくれた人たちが、たくさん残っていてくれたことも嬉しかったな。あの頃は「どうせみんなすぐにいなくなっちゃうんでしょ」って、思っていたから。 地元を受け入れられるようになったのは、私が変わったからかもしれません。やっぱり京都での経験が大きいのかな。私はずっと「ダサい地元」を否定してきたんですよ。でも関西の人って、みんな地元が好きなんですよね。なんというか手放しで地元を受け入れているというか。その寛容さみたいなものに影響されたのかもしれません。 街も随分変わりました。ギャラリーとかが新しくできていたり。私が高校生のときに感じていた「新しい文化を創りたい」という思いを、街に残った人たちが実現してくれていたんです。 ――これからどんなことをしていきたいですか? 山田はるひさん: 地元に帰ってきたといっても、私自身は場所に縛られない働き方がしたいと考えていて。文章を書くことにも興味があるし、パソコンひとつでどこででもできるような仕事ができたらいいなと思っています。 もちろん地元に貢献したいという気持ちもあります。やっぱりこの地域が再び死んでしまなわいように、何かをしたい。さっき話したギャラリーに出展してくれるアーティストや、移住してきてくれた人たちを応援するような取り組みができたらいいな、とぼんやり考えています。私としては石巻に来てくれる人には感謝しかないので。特に若い子には、ずっとこの街にいてほしい。口には出さないけど「石巻の人と結婚して、ずっとここにいろ!」とか思っちゃいます。 (撮影・動画編集:平井慶祐 / 文:福地敦)