本田圭佑は新型コロナ禍に設立した新投資ファンドで何をしたいのか?
自らが創業したベンチャー企業で、予防ヘルスケアとAI(人工知能)の組み合わせに特化した事業で急成長を遂げた株式会社FiNC Technologiesの代表取締役CEOを昨年末に退任。新たな挑戦を模索していた溝口氏へ、ヨーロッパから一時帰国していた本田が、日本社会に存在する投資の壁を乗り越えるための協業を呼びかけたことがきっかけになった。 経営者としての豊富な経験と人脈をもち、溝口氏が以前から畏敬の念を抱いていた高岡氏も参画することが決定。オンライン会見に出席した高岡氏は、挨拶の最後にこんな言葉をつけ加えている。 「今回のコロナショックは、新しい現実を全世界の人々に突きつけています。そのなかで『WEIN挑戦者FUND』が大企業とベンチャー企業、そしてスタートアップ企業を体系的にサポートさせていただくことで、日本からもっと多くのイノベーションを起こすことを手助けできると信じています」 高岡氏が指摘するように、新型コロナウイルス禍に見舞われているいま現在だけでなく、乗り越えた先に待つ将来でも日本経済は大きな打撃を受けるだろう。少子高齢化を含めたさまざまな社会問題へ、ツイッターを介して忌憚のない意見を発信してきた本田もあらためて持論を展開する。 「ファンドと言われると、みなさんはあまり関係がないと思われるかもしれません。ただ、もう少し大きな視点で見れば、自分たちの経済圏のなかでもう一歩挑戦していくような行動を取らなければ、日本はこのまま衰退していくわけですよ。世界第3位の経済大国という事実はありますけど、実際はアメリカと中国にものすごく差を開けられているし、下からもどんどん追いあげられていますよね。 しかも日本は今後、人口がどんどん減っていくわけじゃないですか。移民問題を今後どうするのか、という意思決定は政府に求められてくるはずですけど、もっと大枠というか根本的なところで言えば、僕たち一人ひとりが挑戦して、成長していくしかないと思うんですよ。僕たちは今回、そうした考えをたまたまファンドという形で行動に移しただけの話なんですよね」