「巨人は大金を使った補強になってない」元セ・パ本塁打王の解説者がズバリ本音「大きなピースはライデル」失った中日の不安点は守護神より…
田中将大、ライデル・マルティネス、甲斐拓也が加わった巨人の補強が話題になっている中で――楽天、中日OBである解説者の山崎武司氏は古巣の対応を含めてストーブリーグをどう感じるか。本音で一刀両断する。〈全3回の3回目〉 【レア写真】「が、ガリガリ…17歳時」マー君が佑ちゃん、大谷さんやダルとニコニコ、里田まい夫人や山崎とも仲良し…など田中将大レア写真を全部見る
大城の起用法に疑問、石川の獲得失敗も痛手
今オフのストーブリーグでは、セ・リーグ王者の巨人が積極的な補強に動いている。ライデル・マルティネス投手(中日→)、甲斐拓也捕手(ソフトバンク→)と実績のある選手を補強したが――そこに「大金を使っただけの補強になっていない」と指摘するのは、でセ・パ両リーグで本塁打王に輝いた実績を持つ野球評論家の山崎武司氏だ。 「甲斐は守備力が高い一方で打力は落ちるので、相手バッテリーは気持ちにゆとりが生まれます。巨人は打撃に目をつぶって甲斐を使い続けるのか。甲斐を固定した場合、大城(卓三)の起用法をどうするのか。捕手が巨人の補強ポイントだったのか疑問が残ります」 山崎氏が巨人にとっての痛手に挙げるのは、ソフトバンクからFAとなっていた石川の獲得失敗である。 先発ローテーションの一角を担う力があることから、菅野の穴の一部を埋める計算ができたという。楽天時代のチームメートで、こちらも巨人入団が決まった田中将大には復活を期待するものの、1年間ローテーションを守って2ケタ勝利をクリアする活躍を望むのは難しいと考えている。
ジャイアンツブランドは消えた
そして、ライバル球団の阪神で4番に座る大山を獲得できなかったことについては、「ジャイアンツには、そこまで必要な選手だとは思いません」と切り出し、こうも話した。 「大山とは、よくバッティングの話をしてかわいい存在ですが、ちょっと給料をもらい過ぎている印象です。出塁率の高さでチームに貢献しているとは言え、ジャイアンツが提示したとされる金額(推定6年24億円以上)であれば、打率3割、本塁打30本が期待されるライン。どちらも達成したことがない大山には高いハードルとなります」 同一リーグの球団から主砲を獲得すれば、相手の戦力を下げる効果はある。だが、自球団の戦力アップを目指すのであれば、山崎氏は「別のお金の使い方をした方が良い」と話した。 巨人は今オフ、FA戦線では甲斐1人の獲得にとどまり、1勝2敗と負け越した。各球団の主力が毎年のように加入した、かつての状況とは変わっている。FAによる新戦力は、DeNAから梶谷隆幸外野手と井納翔一投手の2人を補強した2020年のオフ以来4年ぶりとなる。 巨人は大山にも石川にも、他球団を同等以上の金額を提示したとみられる。ところが、思いは届かない。資金力だけでは補強に成功しない現実を突きつけられた。山崎氏は「ジャイアンツブランドは消えた」と表現。入団時は好待遇で歓迎されても“使い捨て”のイメージが強く、「年俸は高くても、長くプレーしたい選手には魅力的な球団に映らない」と説明する。実際、最近10年間で継続して活躍している選手は丸佳浩外野手くらいだろう。
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