じつは、はるかに離れた「2大陸で発見」されている…出現と広がりの「謎に光をあてる」アラスカで発見された「あまりに良好な状態の化石」
鱗状骨が伝える新事実
この標本の保存状態は非常に良く、風化や摩耗した痕跡がほとんどない。他の骨との接合部分もはっきりと残っており、骨の構造や特徴を詳細に確認することができる。 この標本は、ほぼ完全な左側の鱗状骨と、それに接続する後部のドーム部分から成る。この骨の最大の高さは6.82センチメートル、幅は6.49センチメートル、厚さは4.05センチメートルで、手のひらに乗るくらいの大きさである。 発見された骨はとても厚く、内部には特徴的な柱状の構造が見られる。骨の外側(または背側)には12個の節や小さな突起があり、これらはパキケファロサウルス科に特有のものである。最大の突起は台形に近い形をしており、他の突起は多角形や長方形の形をしている。これらの突起は2列に並んでいる点が特徴的である。 アラスカで見つかったパキケファロサウルス類の鱗状骨は、他のパキケファロサウルス類に比べて小型である。 この骨は、プレノケファレ・プレネス(Prenocephale prenes)やパキケファロサウルス・ワイオミングエンシス(Pachycephalosaurus wyomingensis)と比べても明らかに小さいが、プレノケファレ・エドモントネンシス(Prenocephale edmontonensis)やプレノケファレ・ブレビス(P. brevis)に近い大きさである。 また、アラスカの恐竜には強力でありながら縁に突起がある完全なドーム型の頭があり、この特徴はパキケファロサウルス・ワイオミングエンシスの一部の標本とよく似ており、特に突起の形と配置が似通っている。 ただし、アラスカの標本は突起が二列に並んでいる点が他のパキケファロサウルス類と異なっている。また、この標本はパキケファロサウルスのように方形骨と鱗状骨が接続する構造を持っているように見える。 この特徴が正しければ、この標本はパキケファロサウルスの一員である可能性が高いが、標本が部分的なため、現時点での正確な分類は難しい。このため、この標本はパキケファロサウルス亜科に属すると考えられている。