ハッブル宇宙望遠鏡が撮影 幅広の腕が渦巻く“ケフェウス座”の棒渦巻銀河「UGC 11861」
こちらは「ケフェウス座」の方向約6900万光年先の棒渦巻銀河「UGC 11861」です。幅の広い2本の渦巻腕(渦状腕)が棒状構造を含む銀河の中央部分を大きく包み込むように広がっています。棒渦巻銀河は中心部分に棒状の構造が存在する渦巻銀河で、渦巻銀河全体の約3分の2は中心に棒状構造を持つとされています。 まるで輝く宇宙の“目” ケフェウス座の渦巻銀河 UGC 11861では1995年9月、1997年8月、2011年6月に超新星が見つかっており、このうち1995年の「SN 1995ag」と1997年の「SN 1997db」は大質量星が起こすタイプの「II型超新星」だったとみられています。II型超新星は進化した大質量星内部の核融合反応によって鉄のコア(中心核)が生成されるようになった頃、核融合のエネルギーで自重を支えることができなくなったコアが崩壊し、その反動によって恒星の外層が吹き飛ぶことで爆発に至る現象だと考えられています。 この画像は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」で取得したデータをもとに作成されました。ハッブル宇宙望遠鏡によるUGC 11861の観測は、II型超新星が発生する環境をより深く理解するための研究の一環として2023年2月に実施されています。 冒頭の画像は“ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像”として、欧州宇宙機関(ESA)から2024年8月19日付で公開されています。 Source ESA/Hubble - A super(nova) spiral
sorae編集部