【最高の1台?】10万kmの走行テストを終えた「BMW M3」をバラバラに分解した結果と評価は?
改めてマニュアルトランスミッション
回転数を見ながら、周波数に耳を傾け、スピードの上昇を見極める。オートマチック車でダラダラとスピードを上げるよりも、ずっと能動的だ。結局のところ、「M3」を本物のスポーツカーに昇華させるのはマニュアルギアボックスなのだ。 ちなみに、550ニュートンメーターの荷重をかけたギアのシンクロは、テスト走行後も一級品である。クラッチは、プレッシャープレートとフライホイールに小さなホットスポットがあるものの、おそらくあと3万kmは使えるだろうし、シフトケーブルは初日と同じ正確な張力を保っている。
エンジンの消耗は?まったく見当たらない!
そこで、「M3」の第2の資産であるエンジンに迫る。このエンジンもまた、最後まで耐久のエキスパートであり、潤滑オイルを燃やすこともなく、ピストンはアークワイヤーで吹き付けられたシリンダーコーティングの溝ひとつ傷つけていない。バルブトロニックは?機械的な欠陥はない。ダブルバノス?摩耗なし。 DEKRAの専門家は、1番、6番、7番のメインベアリングシェルの錫銅層に走行距離に伴った摩耗を発見した。
タイミングチェーンのガイドレールの摩耗も少ない。要するに、ブロック内のすべてのバランスが取れているのだ。この直列6気筒エンジンのパワーハウスは、決して単純な設計ではなく、惜しみなくBMWのエンジン造りのノウハウが投入されているだ。日誌やメモには、「最高速度は300に近い」、「レッドゾーンまで回した時の走りはクレイジーだ」というものから、「約束されたスプリント値を簡単に達成する」というものまである。 ドライバーは高速道路やカントリーロードで2つのモノスクロールターボチャージャーに最大限の圧力をかけて、「M3」を思い切り楽しんでいる。「Mツインパワーターボパッケージ」は、3回の暑い夏とテストの全走行距離にもダメージを与えることなく対応した。 「M3」は100km平均10.2リットル(9.8km/ℓ)のハイオクガソリンを消費し、ほぼ同じ性能を発揮した。スピード測定(テスト開始時と走行距離98,950km時)では、エンジンが完璧なハーモニーを保っていることを証明している。ブレーキテストもまた、このクルマの機械的な健全性を証明している。