「サッカー人生を通じて、世界を変える切符を手にした」本田圭佑32歳の目指す進化
困難に直面した時や落ち込んだ時は、どう立ち直るのか。 「その時は、完璧主義を捨てる。ダメージを受けてる時に完璧主義を維持すると、マイナスにしかならない。乗り切るには、開き直るんですよ。完成度の高さを捨て、ハードルを下げていいんで、とにかく前向きに、その状況をドライブすることにフォーカスする。質とか点数にこだわらない。僕がいつも言ってるのは、結果にこだわるな、成功にこだわるな、成長にこだわれ。なぜなら、絶対にやったら成長はするので。成功はまた別問題」
60億人にアプローチしたい
本田は今、「AFRICA DREAM SOCCER TOUR」と銘打ち、ケニア、ウガンダ、ルワンダで、子どもたちの“夢”を支援している。夢、シンボルとなるプロサッカークラブの運営を開始。「モノよりもまずは機会の提供を」というコンセプトのもと、現地の学校などと提携し、日本人コーチによるサッカー指導を無償で実施する。才能が認められれば、男女問わず、プロを育成するサッカーアカデミーに推薦され、入団することもある。企業と協力して工場見学を実施するなど、サッカー以外の選択肢を見つける機会も設けた。
世界各地で活動するなかで、気付いたことがある。 「ハングリー精神って、コミュニティーの中の相対的な貧しさによって手にできるものなんです。カンボジアやウガンダに行って思うのは、貧しいんですけど、大半の子はハングリーなタイプじゃない。絶対的な貧しさはハングリー精神につながらないんです」 「『FACTFULNESS』という本を読んで。今まで僕たちは先進国・後進国とか、二極化する言い方をしていたけど、この本では、四つのカテゴリーに分けてて。レベル1は1日あたりの所得が2ドル以下の人。貧困層です。レベル2は2~8ドル。レベル3は8~32ドルで、貧困を脱出している人。日本はレベル4の32ドル以上です。レベル4って、10億人くらいなんですね。Instagramのユーザー数が10億人突破したっていっても、ほとんどこのレベル4の人たち。60億人、まだいるんですよ。ここを意識したらもっと面白くできる。60億人にアプローチできるようなプロジェクトに関わりたいと僕は思ってるんですよね」