「納豆日本一」に輝いた食品メーカーの粘り強い組織変革 4代目が意識した従業員への「声かけ」
後継ぎ不在のメーカーをM&A
菅谷食品は2020年、納豆の納入先で後継者不在だった甘納豆メーカー「フォルッツァ」(静岡県富士宮市)の経営権を取得しました。 フォルッツァの主力商品「どらいなっとう」は、日本航空の機内食として提供されており、賞味期限も長いことから海外展開の切り札になると考えています。「ただ、どらいなっとうは嗜好品で、納豆とは違って毎日食べるものではありません。売り先も異なるため、販路拡大が課題です」 関本さんは今後もM&Aによる販路拡大を視野に入れています。「フォルッツァの前社長は高齢のため承継後に亡くなっており、(事業承継しなければ)存続が難しかったかもしれません。後継ぎがいない納豆屋を残す意味でも、M&Aは有効ではと思っています」 「次は全商品の大豆を有機栽培にしたい」と意気込む関本さん。納豆を食べたことがなかった4代目は、これからもこだわりの商品を粘り強く広め続けます。
フリーアナウンサー・ライター 丸井汐里