あまりに理不尽…!日本製鉄のUSスチール買収を妨害した「ライバルの正体」と、ふたたび露わになる日本とアメリカの「本当の関係」
幻と消えた巨大な「日米鉄鋼連合」
退任を間近に控えたバイデン米大統領が1月3日、「国家安全保障上の懸念がある」として、わが国の日本製鉄による米鉄鋼大手ユナイテッド・ステーツ・スチール(USスチール)の買収禁止を命じた。 【写真】大胆ショットに全米騒然…トランプ前大統領の「娘の美貌」がヤバすぎる! 実現すれば、粗鋼生産量で世界第3位の巨大日米連合が誕生する予定だったが、ご破談となった。これを受けて両社は1月6日、「違法で、法の支配の原則に反する不適切な政治的介入だ」としてバイデン大統領、イエレン財務長官、ガーランド司法長官を相手取った訴訟を提起。 同時に両社は別の裁判で、「買収を反競争的に不法妨害した」として、USスチール買収のライバルであった米鉄鋼大手クリーブランド・クリフス、同社のゴンカルベス最高経営責任者(CEO)、さらに買収反対の世論作りの先頭に立った全米鉄鋼労働組合(USW)のマッコール会長を提訴した。 だが、安全保障を理由にした行政の介入に関しては、司法があえて覆さない傾向がある。さらに、民主党のバイデン大統領の後任となる共和党のトランプ次期大統領も、買収阻止に関しては一致している。 禁止命令は、2月2日までに日本製鉄とUSスチールが取引を完全に放棄するための措置を講じなければならないと定めている。米弁護士ニック・クライン氏はロイター通信に対し、「勝訴は絶望的かもしれないが、提訴でトランプ次期政権との交渉の時間稼ぎはできる」との見方を示した。 確かにトランプ氏には、中国共産党との深い関係が疑われる人気ソーシャルメディアTikTokの米企業への身売り強制に関して、賛成から反対へと立場を180度翻した「前科」がある。 しかし、それは大統領選を資金面から支えてくれた富豪ジェフリー・ヤス氏がTikTokの親会社バイトダンスの株式の7%、さらにヤス氏が経営する米サスケハナ・インターナショナル・グループがバイトダンスの15%を保有しているためだと言われる。 一方で、日本製鉄はヤス氏やイーロン・マスク氏のように、大統領選でトランプ氏に大金を献金したわけではない。しかも、USスチール買収阻止はトランプ候補の選挙における公約であった。 米国第一主義を掲げるトランプ氏の心変わりは望み薄だろう。