冬場も注意「カビ毒」給食にも…影響どこまで? 身を守る鉄則とは?【#みんなのギモン】
日テレNEWS NNN
岩手県産の小麦の一部から、基準値を超えるカビ毒が検出された問題で、影響が広がっています。 岩手県花巻市は7日、ふるさと納税の返礼品の「花巻産南部小麦そうめん」に、基準値を超える「カビ毒」が検出された小麦が使用されていたと発表しました。市は発送を停止するなど対応しています。 また、宮城県仙台市の小学校では先月27日、問題となった小麦を使用した給食が提供されていました。因果関係はわかっていませんが、小学校10校で13人の児童がおう吐や腹痛の症状を訴えているということです。 ●「カビ毒」危険性は? ●家庭では? 冬場も要注意 以上のポイントを中心に詳しく解説します。
■「ナンブコムギ」にカビ毒 学校給食で「せんべい汁」として提供も
「カビ毒」のことを知る前に、まずは今回の問題の経緯から説明します。問題となっているのは、去年9月22日から先月20日までに、JA全農いわてが販売した「ナンブコムギ」です。岩手県内と東京の3つの製粉会社に約700トンが販売されました。 販売前の検査では異常は確認されませんでしたが、東京の製粉会社が自主的に検査したところ基準値を超える「カビ毒」が検出されました。そのため東京の会社は出荷しませんでしたが、岩手県内2つの会社はすでに約400トン、小売メーカーに出荷していました。
これまでにわかっているのは主に学校給食で「せんべい汁」として提供されたケースです。せんべい汁は青森の郷土料理で、醤油味の鍋に「南部せんべい」を入れたもので、このせんべいに小麦が使われていました。
■岩手県や新潟県 関東でも… 広範囲で学校給食として提供
「すでに学校給食で提供した」という報告が相次いでいます。宮城県内では仙台市のほかに、登米市や大崎市などの学校でも提供されていました。 また、岩手県や新潟県、そして関東でも報告があります。東京都杉並区でも17の小中学校など、神奈川県では藤沢市、小田原市、横須賀市で当該の「小麦粉」が使われていたということです。
■健康への影響は? カビ毒の因果関係は?
これまでにわかっているのは、仙台市で13人がおう吐や腹痛。気仙沼市で3人が医療機関を受診。横須賀市では5、6人の児童に下痢や吐き気などがあったとの報告があがっています。ただ、これらの症状とカビ毒の因果関係はわかっていません。 気仙沼市によると、せんべいなどに加工されることにより「カビ毒」の含有量は少量となり、健康に影響を及ぼす可能性は低いと考えられるということです。