冬場も注意「カビ毒」給食にも…影響どこまで? 身を守る鉄則とは?【#みんなのギモン】
■「カビ」と「カビ毒」 どう違う?
そもそも「カビ」と「カビ毒」は分けて考えた方がいいです。 「カビ」といっても、私たちの身の回りには「みそ」や「しょうゆ」などカビによる発酵を利用した食品が多くあり、薬など「人々の暮らしに役立っているカビ」もたくさんあります。 一方で、カビの中にはガンや中毒アレルギーの原因になる「害になるカビ」もあり、そのようなカビが作り出す毒を「カビ毒」といいます。つまり「カビ毒」とはカビから生まれる物質のことです。 人や動物に有害な「カビ毒」は、なんと300種類以上も報告されています。
■小麦に…カビ毒「赤カビ」とは?
できるだけ、触れたり口に入れたりはしたくない「カビ毒」。目で見て、わかるのでしょうか? 食品にカビが生えているかは目で見てわかる場合もありますが、「カビ毒」が含まれているかどうかは、検査しないとわからないそうです。 そのカビ毒の中で、今回問題となったのが「赤カビ」です。畑の土の中などに含まれている「フザリウム」というカビが、特に麦やトウモロコシに付いて、毒を作ります。 この赤カビを大量に摂取し中毒を起こすと、吐き気やおう吐、腹痛、下痢などの症状が出ます。また、血液や免疫の機能に障害が出ることもあるそうです。
■「カビ毒」は熱に強い
覚えておいて欲しいのが「カビ毒」のほとんどは熱に強く、「通常の調理や加工の温度」では完全に分解するのは不可能だということです。 東京都の保健医療局によると、「通常の温度」とは「100℃から210℃」、時間は「60分以内」。これでは、毒はほとんど減らないといいます。
■「カビてるところだけ取って食べよう」はダメ 目に見えないカビが…
食の安全に詳しい、食品問題評論家の垣田達哉さんに話をうかがいました。 家庭の食品にも「カビ毒」は当然あって、大量に摂取すると健康被害の可能性があるといいます。まずは当たり前ですがカビた食品は食べないのが重要です。「カビ毒」は熱で分解されにくいので、カビの生えたパンも「焼けばいい」というわけではありません。 これから冬の季節も要注意です。 餅やみかんが変色していたら、かなりカビが多くて、青いカビがついたところだけでなく、そのまわりで、接触している餅やみかんにも目に見えないカビが発生しているかもしれないので、食べない方がいいそうです。 「カビてるところだけ取って食べよう」は、やめた方がいいということです。