インカレ男子展望「日体大の3冠なるか!? 白鷗大や東海大らが雪辱狙う」
虎視眈々と金星を狙う地方勢も侮れない存在
関東4位の日本大は、アシスト王に輝いた#3米須玲音、#12コンゴロー・デイビッドの“4年生ホットライン”がチームの要。1巡目は東海大に、2巡目は白鷗大に勝利するなど大会に爪痕を残した。インカレでは第4シードで左下の山に入ったが、神奈川大や筑波大、西日本王者の日本経済大などが入る激戦ブロック。下位回戦から気の抜けない戦いとなるものの、勝ち上がればそのまま勢いに乗って準決勝以降に臨めそうだ。 春のトーナメントで3位だった大東文化大は、#25山内ジャヘル琉人が「もったいないミスが多くて、勝たなければいけない試合を勝ち切れなかった」と肩を落としたように、関東5位に甘んじた。ただ、個々の能力がかみ合えば大きな力を発揮するポテンシャルを秘めている。インカレでは初戦を突破すれば、準々決勝で東海大とぶつかる可能性大。リーグ戦で2敗した相手にリベンジなるか、大一番となる。 トーナメント準優勝の専修大は、ケガ人が続出して関東6位となった。前回のインカレは4位で、キャプテン#12市場脩斗は「今年は壁を乗り越えて決勝へ、そして優勝できるように頑張りたい」と意気込みを語る。 神奈川大は、抜群のシュート力を誇る#3山本愛哉、オールコートを豪快に駆け抜ける#5保坂晃毅らに加え、1年生#34長谷川比源の加入が大きく、昨年の関東11位から同7位へとジャンプアップ。リーグ戦で得た自信をぶつけ、全力でインカレに臨みたい。 筑波大は関東8位と苦しい結果だったが、2巡目は日体大に2点差の肉薄、東海大から金星を挙げるなど徐々に実力を発揮。今季限りで退任する吉田健司監督とともに、ダークホースとして冬の一発勝負に挑む。 ここからは、関東以外の地域に目を向ける。まず西日本選手権大会&九州リーグを制したのが日本経済大。昨年のインカレで初のベスト16進出を果たし、今年は歴史を塗り替えて、さらなる高みを目指す(詳しくはP62~の特集参照)。 昨年のインカレで8強入りし、今年も注目なのが東海2位の中京大。インカレは初戦を突破すれば、大東文化大と顔を合わせる。#13中野友都や#12高村駿佑といった経験豊富な4年生を軸に、金星を挙げられるか。その中京大に下して東海1位となった名古屋学院大は、特別指定選手として新潟でプレーした#14永野威旺が攻撃の起点。2年前のインカレでベスト8に入ったが、今年はさらなる上位進出なるか注目が集まる。 関西リーグは、春の関西学生選手権に続き、京都産大が3年ぶりに王座を奪還した。下級生の頃から正司令塔を務める#9宇都宮陸が4年生となり、インカレは集大成を披露する場となる。また、福岡第一高出身の田川博久監督率いる神戸医療未来大が、西日本準優勝の天理大を下して関西リーグ準優勝となり、3年連続3回目のインカレに向けて弾みを付けた。関西得点王#39中村瑞稀がチームを引っ張るだろう。 4年生にとっては学生バスケットを締めくくる最後の大会で、どのチームも負けられない思いを抱えているインカレ。今年もきっと、笑顔あり涙ありの、熱いドラマが繰り広げられるに違いない。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 第76回全日本大学バスケットボール選手権大会 期日/2024年11月29日(金)~12月8日(日)、12月14日(土)・15日(日) 会場/国立代々木競技場 第二体育館・エスフォルタアリーナ八王子・横浜武道館・太田市総合体育館 参加チーム/男子42大学 女子40大学 試合球/株式会社モルテン社製 BG5000(男子は12面体7号球・女子は12面体6号球)
文・写真/中村麻衣子(編集部)