インカレ男子展望「日体大の3冠なるか!? 白鷗大や東海大らが雪辱狙う」
冬の戦い方を熟知した東海大や白鷗大も必見
3冠が懸かる日体大に次いで、見逃せないのが白鷗大と東海大だ。両チームは過去3年連続、インカレの決勝で戦っており、東海大に関しては過去13年間で決勝進出を逃したのはたった2回。白鷗大も過去5年連続で4強以上をキープしており、冬の戦い方を熟知する2チームといえる。 18勝4敗でリーグ準優勝だった白鷗大は、昨年のリーグ戦&インカレ覇者。しかし脇真大(琉球)ら、チームを引っ張った去年の4年生が卒業し、春のトーナメントは神奈川大に敗れてベスト16止まりだった。網野友雄監督もリーグ戦前は「正直、入れ替え戦争いも覚悟していました」と強い危機感を抱いていたという。 だが終わってみれば、チームは指揮官が驚くほどの結果を残した。際立ったエースはいないものの、ディフェンスを武器に堅実に白星を重ねるスタイルを確立。その中で大きく成長したのが、敢闘賞に選ばれた4年生の#20根本大や、2年生の#22内藤晴樹。試合を重ねながら自信を付け、勝負どころでも活躍が光った。チームとしても徐々に調子を上げ、1巡目は日体大、専修大、拓殖大に敗れたが、2巡目では日本大に敗れたのみで破竹の8連勝。日体大や東海大にも勝利したことは、インカレに向けて好材料だ。 そうした今年の流れを、「2021年に初優勝したときと似ている」と網野監督。確かにあの年も、トーナメント7位から始まり、リーグ戦3位、インカレ優勝と、シーズンを通して徐々にチームが仕上がった。今年の4年生は、そのときの上昇気流を1年時に経験した代。勢いに乗って再び栄冠を手にできるか、注目したい。
一方、東海大はケガ人も出てリーグ戦の最後に3連敗したものの、それまでは接戦を次々に制して首位争いをし、結局17勝5敗で3位に着けた。 今年も持ち味は伝統の堅いディフェンス。オフェンスでは#3ハーパー・ジャン・ローレンス・ジュニア、#16轟琉維といった速さのあるガード陣が仲間を引っ張る。中でも#16轟は、関東新人優勝で自信を付け、「スタメンのガードとして、学年関係なく責任感を持ってチームを引っ張りたい」と覚悟を決めた様子。また、1年生の#16赤間賢人、#25ムスタファ・ンバアイ、#60佐藤友も、チームを勢い付けるスパイスになっているようだ。 そして4年生の#3ローレンス・ジュニア、#7前野幹太、#18西田陽成の3人は、昨年のインカレ決勝の舞台にスタメンで立ち、3点差で敗れる苦い経験をした。あれから1年、最後の冬に懸ける思いは並々ならぬものがある。さらには、陸川章監督が来年度からはアソシエイトコーチになることを公言しており、今年が監督としてラストイヤー。「最後に陸さんを勝たせたい」(#16轟)という強い願いは、全部員の総意のようだ。 陸川監督はリーグ戦を終え、「接戦で勝てた試合は、“粘り強さ”を出せた試合でした。悔しい試合もありましたが、下級生は我々がやろうとしているバスケットがこのリーグ戦で理解できたでしょうし、インカレに向けてそれを変えることはない。精度を高めることや、今できる課題の克服を、残りの期間でやっていくだけです」と話していた。