【闘病】出産後に胃がん発覚。胃の3分の2を切除、転移も2か所に認められた
妊娠中は様々なマイナートラブルがつきものですが、そこで自分が「がん」かもしれないと考える人は多くないでしょう。今回は、産後8か月で胃がんと診断されたmarimoさん(仮称)に話を聞きました。 【イラスト解説】胃がんになりやすい人の特徴・予防法 もともとは仕事にも育児にも理想が高かったmarimoさんですが、現在は当たり前のことに深く感謝するようになったといいます。がん宣告から胃の切除、2年にわたる抗がん剤治療という経験について話してくれました。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2021年10月取材。
出産の喜びが一転、「がん」と診断される
編集部: 病気が判明した経緯について教えてください。 marimoさん: はじめに違和感を覚えたのは2018年夏ごろです。2人目を妊娠中にお腹の痛みがあったのですが、「赤ちゃんで胃が圧迫されているのかな」と思っていました。産婦人科の先生もあまり気に留めていなかったのでそのまま放置していました。 しかし、出産後も変わらず痛みが続き、背中まで痛むようになったため2019年7月に近くのクリニックを受診しました。 編集部: そこでがんが見つかったのですね。 marimoさん: はい。内視鏡検査で腫瘍が見つかり、病理検査で胃がん(印環細胞がん)とわかりました。総合病院を紹介され、CT検査の結果、進行度がステージ3~4であると言われました。 これは、ギリギリ切除できるかどうか、もしくは根治治療が不可能かもしれない、といったところです。 編集部: どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか? marimoさん: 開腹手術による胃の切除と、再発予防のため、手術のあとに補助化学療法(ドセタキセル+TS-1)が必要だと言われました。 手術前の説明で、腹部を開いてみて腹膜播種(腹膜へ転移したがん)が見つかった場合は、切除することができないので手術は中断して化学療法による延命治療をしていくしかないということも聞きました。 また、腹腔内化学療法になった場合はその病院では受けられないため、県外の病院まで行かなければならないとも言われましたね。 編集部: 実際に胃を見てみないとその後の治療もわからない、ということだったんですね。 marimoさん: はい。結局、私の場合転移はなく、断面部分にもがん細胞は見つからなかったため、ステージ4ではなくステージ3aでしたが、それでも胃の3分の2を切除しました。周辺リンパ節への転移も2か所認められました。 編集部: 術後はどうでしたか? marimoさん: 幸いなことに術後の回復も早く、通常だと5~10kg体重が落ちてしまうと聞いていましたが、2~3kg落ちた程度で、術後1年もせずに元の体重と食欲に戻りました。 また、術後化学療法として、「ドセタキセル」全6クールと「TS-1」全32クールを2年かけて行いました。 ドセタキセルの時は副作用として脱毛や爪の変形、手足の皮剥けや涙目があり、TS-1の時は色素沈着や皮膚の痒みに悩まされました。また、どちらの薬も倦怠感がすごかったですね。