14年ぶり出場の大分鶴崎は2年生が存在感…高さ&技術兼備の184cmMF河野歩夢、3連続好セーブの187cmGK大倉公亮らで来季「1回戦突破」再挑戦へ
[12.31 選手権2回戦 帝京大可児高 5-1 大分鶴崎高 味フィ西] 14年ぶりの全国選手権に辿り着いた伝統校・大分鶴崎高は、大会初戦で優勝候補・帝京大可児高に1-5で大敗し、初戦敗退に終わった。それでも4-3-3をベースとしたパスワークやマンツーマン守備で強豪校を苦しめる序盤戦を演じ、先発した2年生4人も主将のMF志賀杏陸(3年=大分U-15)に「もっとビッグになって注目されるべき選手たち」と評される高いポテンシャルを見せるなど、来年に希望をつなぐ内容となった。 【写真】「イケメン揃い」「遺伝子を感じる」長友佑都の妻・平愛梨さんが家族写真を公開 中でも圧倒的な存在感を発揮していたのは、左インサイドハーフのMF河野歩夢(2年=大分U-15)。184cmの長身に加えて高い技術を兼ね備えたMFで、後半33分のMF安東壮大(3年)の得点も、ペナルティエリア左の狭いスペースでも鮮やかな身のこなしでボールキープした河野の折り返しから生まれていた。 「足の長さを活かして先にボールに触ったり、そこから足元の技術を出すというところは出せたので良かった」(河野)。後半7分には左からの折り返しに長い足で合わせ、あわや同点ゴールというシーンも。結果的には相手DF石田凱大(3年)のスーパーなゴールカバーに阻まれる形となったが、相手の逆を取るパスワークへの関わりも含め、試合を通じて大きな爪痕を残していた。 中学時代は大分U-15でプレーしていたが、「走れなくて細くてU-18に上がれなかった」という過去を持つ河野。それでも「最近は筋トレもするようになって強くなってきた」とフィジカル強化に手応えを重ね、県リーグや練習試合などで大分U-18と対戦する際も「負けなくなってきた」と感じているという。 さらにこの全国大会を通じ、対戦した帝京大可児の同世代ボランチMF伊藤彰一(2年)、他会場で結果を残した矢板中央MF平野巧(2年)らから刺激を受けつつ、一段上の成長意欲が芽生えた様子。「相手はみんな上手くて、他にも2年生で上手い人がいて、もっと練習して守備や走りにも向き合っていかないといけないと感じた」と奮起を誓った。 また5失点こそ喫したものの、守備陣の奮闘も際立っていた。最後尾を支えたGK大倉公亮(2年=大分U-15)は187cmの長身を活かしたセービングが持ち味の守護神。前半36分には相手の波状攻撃に対し、3連続のスーパーセーブを見せるなど、失点ものの大ピンチから何度もチームを救っていた。 大倉自身は「弾いた後の反応、シュートに対する感覚は手応えになった」と振り返りながらも、2失点目の判断ミス、3失点目のキャッチミスに悔いを残した様子。「止められた部分も多かったけど、失点を防げた場面も多かったと思う」と厳しい自己評価を下した。 大分U-15時代は身長が175cm程度だったこともあり、U-18昇格を逃した大倉。それでも高校でグッと身長が伸び、現大分U-18所属でトップチーム登録もされている同世代GK平野稜太(2年=刈谷Jrユース)からも刺激を受けながら成長を続けてきたことで、この舞台に辿り着いた。そして来季は「もっと変なミスをなくして失点を抑えられるようにしたい」とさらなる安定感を身につけていく構えだ。 そのほかにも帝京大可児の全国通算10得点エースFW加藤隆成(3年)とのマッチアップで何度も抑え込む場面を作り、加藤に「大きくて身体も強かった」と評されたDF吉元俊輔(2年=カティオーラFC U-15)は「球際の部分は意外とできたので自信になった」と手応えを語り、左SBとインサイドハーフの複数ポジションで攻撃に厚みを加えたDF高野将大(2年)も存在感を発揮。「今年は1回戦突破が目標でやってきたけどできなかったので、来年は1回戦突破したい」(吉元)。そのためには全国に立った選手たちがさらに努力を重ね、周囲を引っ張っていけるかどうかが鍵になりそうだ。