いつも頼りにされていたはずが、ある日突然「老害」扱いに…。長く支持されるために大切なことは?
◆時代の流れを常に意識する 「これまで自分のことを皆『メンター』だと慕ってくれていたのに、急に『老害』と言われて、まるで狐につままれたようだ」と思っている方も多いのではないでしょうか。 指導する側とされる側の関係性は変わらなくても、「時代」が変わっていけば、おのずと時代の影響が、指導する側とされる側との関係性にも外部からじわじわと影響を及ぼすことがあります。 たとえば「時代がどう変わっても、この指導に関しては次元の違う話ですから世間と一緒にしないでください」と指導者がコメントをしたら、今の時代はさらに炎上するだけでしょう。 時代の流れも常に意識し、折り合いをつけながら指導方法も微調整していくことが求められます。 近年はトップダウンの指導方法が得意だった指導者が、新たにボトムアップのマネジメント方法も習得し、両方の良いところを取り入れたハイブリッド指導で結果を出していたりもします。
◆指導方法の「手数」を増やす 指導者が持つ指導方法の手数が少ないと、そのやり方で結果が出ない相手に、「どうしてあなたのやり方は結果が出ないんだ!」と自分自身の考え方すら否定された気持ちになり、それが怒りとなって老害的に相手にふるまってしまうことがあります。 手数があれば、「このやり方じゃ結果が出なかったか。じゃあこのやり方はどう? あとこういうやり方もあるよ。あとは任せるから自分で考えてやってみてよ。相談にはいつでも乗るから」と、高圧的・老害的でないコミュニケーションが取れるはずです。 課題解決の「手数」を持っていれば、どのような時代が来ても、どのような世間の論調になっても、それに合わせた「手」を選択して繰り出すことができますので、時代や世間の変化に影響されることなく長年にわたりメンターとして支持され続けることができます。 自分以外の指導方法を全否定せず、「そういう指導方法があるのか。それと自分の指導方法を組み合わせてみたらどうなるのかな」と考えてみましょう。 「指導方法の手数を無限に増やす」という意識を取り入れてみると、あらゆるタイプの人材の指導もでき、さらに活躍できることと思います。 ※本稿は、『メンターになる人、老害になる人。』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
前田康二郎