「大浴場に人糞が垂れ流し」「外から鍵をかけて…」いま、地方のリゾマンが「姥捨山マンション」と化しているあまりに悲しい理由。
昔は億ションだったのに...管理費が払えず薄暗い老人マンションに。
少子高齢化が叫ばれて久しい。内閣府の調査によると65歳以上の人口は総人口に占める28.4%にも及ぶ。2025年には3人に1人が65歳以上の高齢者になると試算され、5人に1人が75歳以上の後期高齢者。子供の人口は49年連続で減少しているというのだから恐ろしい。 それに伴う空き家の急増が重大な社会問題となっている。総務省が4月30日に発表した2023年の「住宅・土地統計調査」住宅数概数集計では、総住宅数のなんと13.8%が空き家となっている実態を炙り出した。 危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は警笛を鳴らす。 「少子高齢化はさまざまな問題を引き起こしますが、中でも私が憂慮しているのが高齢化するマンションです。高度経済成長期に建てられたマンションの多くは、今大きな岐路に立たされているのです。そしてその行く先は、とても暗いと言わざるを得ません」 高齢化するマンションとは一体どんなものなのだろう?平塚氏が実際に関わったマンションの事例から紐解いていきたい。
「例えば、都心から少し離れたベッドタウンで1990年代に建築されたマンションは、当時億ションになることも少なくありませんでした。しかし、今その価格は大きく下落しています。下落していれば、買い手がつくとお思いでしょう?しかし、現実はそう甘くはありません。買い手がつかないどころか、より深刻な事態に陥っているんです」 問題の根底にあるのは高齢化だと話す。
「成人した子どもたちが出ていき、気がつけば高齢者ばかりになってしまった…そんなマンションは、もう人間で言うと『要介護状態』。いくら価格が安くても、若い人が住みつかなくなるんです。 なぜかといえば、ひとつは管理が行き届かなくなるからです。ご存知の通り、マンションは管理組合によって維持、そして管理がなされます。これは住人全員で組織されるもので、業務を管理会社に委託するケースも多くありますが、最終判断は管理組合が主体で行うことになっています」 管理費や修繕積立金などのお金の管理もこの管理組合が行うものである。 「この管理組合が、住民の高齢化により、すでに議決期間として破綻しているところが多いんです。 すると自己管理ということになりますが、高齢化したマンションでそんなものは機能するはずがありません。気がついた頃にはぼろぼろのマンションになってしまうということです」 さらに昨今の値上げラッシュが拍車をかけているらしい。