住民説明会450回以上、リサイクル率は驚異の84% 日本一のリサイクルの町、鹿児島県大崎町の取り組み
25年間かけて作られたオリジナルの分別システム
現在、大崎町の町議会議員であり、大崎町SDGs推進協議会の広報を務める藤田香澄さんに、お話を伺いつつ、「大崎リサイクルシステム」を案内してもらいました。
藤田香澄さん 東京大学公共政策大学院学を修了後、面白法人カヤックに入社。退職後、合作株式会社へ入社し大崎町へ移住。「一般社団法人大崎町SDGs推進協議会」の事務局運営に携わり、プロジェクトの企画立案、関係者調整、実施業務を担当。2023年4月には大崎町初の女性議員として当選を果たした
藤田「最初は資源ごみの分別を行っていましたが、さらに資源化できるものを探してみました。大崎町で出るごみのうち、3割が生ごみで、3割が草木だということがわかり、生ごみの堆肥化が検討されました。 資源ごみの分別開始から4年後の2002年に堆肥化を開始し、2004年からは生ごみ、草木の埋め立て全面禁止を実現しています」 各集落に設置されている大きなバケツで各家庭からの生ごみを回収し、「大崎有機工場」へ運びます。運ばれた生ごみは破砕機で粗破砕され、各家庭や道路木伐採などから持ち込まれた草木を砕いたものと合わせ、半年間かけて堆肥に生まれ変わらせます。
今では人気の堆肥となり、有機栽培をする農家や家庭で広く活用されているといいます。
大崎町で有機野菜を栽培するトモタカファームは「おかえり環ちゃん」を使って、珍しい野菜を年間で200品目栽培しており、大崎町のふるさと納税の返礼品になっています。寄付金は、町のために活用されています。
資源ごみを販売した利益を町に還元
現在、大崎町のごみの総量の23%を占めているのが資源ごみです。
その内訳は、プラスチック類をはじめ、缶やびん、紙類、衣類、金属類、ペットボトル、蛍光灯類、乾電池類などです。 各家庭で分別され、月に1度各集落に設置されるごみステーションで回収され、そこから、「そおリサイクルセンター」に持ち込まれ、職員の手によってさらに細かく分類されていきます。