祖父母が孫より甘やかすべきは「孫の親」だった?黒川伊保子「一日息子と過ごすうち、人生を根こそぎ奪われたような焦燥感が…」
◆親たちを甘やかそう 幼子に人生コスト(時間、手間、意識、金)をかけすぎると、脳がヤバいと感じてイラつく親たちだけに、孫を任せておくわけにはいかない。 というわけで、祖父母は基本、甘やかし役になるべきだと私は思う。 その際、孫を甘やかすよりもっと甘やかすべき人がいる。孫の親たちである。 子どもに手がかかると、人生を根こそぎ奪われるような気がして焦燥感に駆られてイライラする。 それが生殖本能の創り出す感覚なら、止めることはできない。 だとしたら、時々、人生を取り戻させてあげればいいのでは? 彼女自身、彼自身の時間を確保してあげること。 これも、ひいては孫のために、私たち祖父母ができることじゃないだろうか。
◆我が家の週末 我が家では、孫の親たちの「自分時間」は、かなりしっかり確保されている。 孫の父親(息子)は、日光足尾に森を所有していて、高校時代からの親友と山小屋を建て、畑を作り、秋から冬にかけては週末猟師になって山を駆け巡っている。 母親(およめちゃん)のほうは、フォロワー1万人超えのSNSの人気者なので、週末はイベントや取材で忙しい。 2歳3か月の孫は、お気に入りのベビーシッターさんの家に預けられて、公園で泥んこになって、キラキラ輝く瞳で帰ってくる。 シッターさん宅への送り迎えは祖父(私の夫)で、お弁当とおやつの蒸しパンを作って持たせるのは祖母(私)だ。 孫のいない日中は、私も仕事か執筆にいそしんでいる。
◆孫の親たちに「自分時間」を作る この2年間、ほぼすべての休日を、我が家はこんなふうに過ごしてきた。 息子とおよめちゃんを甘やかしすぎ? いやいや、私はそうは思わない。 孫の親たちにも、自分自身の脳を信じる自己肯定感が必要だから。彼らもまたAI時代を生き抜く世代なのだもの。 孫の親たちに「自分時間」を作ってあげること。それが、孫のトリセツの大事な一つである。 ※本稿は、『孫のトリセツ』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
黒川伊保子
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