人間も自然の一部である感覚を思い出す…海外でも人気が高い「森林浴」の新しい形[FRaU]
小野さんが新しい森林浴の形を模索し続けるのは、森と人の関わりが希薄になっているという危機感があるから。 「特に日本人は、元来、深く森と関わってきた民族です。八百万の神を信仰し、伝統的な祭事にも必ず自然が関わっていました。今私が活動しているのは、人間も自然の一部であるという感覚をみんなが思い出すため。それができたら、自然を『守ってあげる』という発想でなく、『共に生きる』という付き合い方ができると思うんです。日本にこれまで当たり前にあった、本来の意味での森との共生をまた取り戻したいと思っています」
小野なぎさ 森林を活用した研修プログラム開発、健康リゾートホテル事業、海外のメンタルヘルス事業の立ち上げ後、2015年一般社団法人森と未来を設立。森林空間を活用した新しい森林の利用に着目し、国内外で活動を行う。2019年林野庁の林政審議会委員に就任。著書に『あたらしい森林浴』(学芸出版社)。 ●情報は、FRaU2024年8月号発売時点のものです。