ハラカドの地下に“銭湯を中心とした街”が誕生!「小杉湯原宿」へ行ってみた【東原妙子の ととのい道】
そして、真っ先に目に飛び込んでくるのは、昔懐かしい富士山の銭湯絵。こちらは全国に二人しかないという銭湯絵師の一人、中島盛夫さんの作品。ビルの地下ということで天井が低いため、目の前で鑑賞できます。 女湯と男湯は壁一枚隔てて上でつながっていて声が反響して聞こえてくるのも、いかにも昔ながらの銭湯の趣。 そういえば、亡くなった祖父は銭湯が趣味だったので、家にお風呂があるのに毎日通っていたんですよね。それで子どもの頃、たまに連れていってもらっては、女風呂から「ねぇねぇ、おじいちゃ~ん!」と大声で話しかけ、他のお客さんたちに笑われたのを思い出したりして。 無類の風呂好きは遺伝だったのか、と改めてほのぼのとした気持ちになりました。突然のノスタルジーおばさん、ごめんなさい(笑)。
さて、本題。「小杉湯」には3つの湯船があります。 白く濁った湯船は、初代から受け継がれてきた名物「ミルク風呂」。3つの保湿成分、ワセリン、ミツロウ、ミネラルオイルが配合されていて、優しいミルクの香りに癒されます。 隣のジェットバスになった「あつ湯」は、何と設定44℃! そっと足を入れてみると、いや、普通にめちゃくちゃ熱いんですけど!!? でも、そうそう、昔の銭湯って激熱だったよな~と思い出し、最初だけ我慢して入ってみると、不思議なものでこの温度がだんだんと心地よくなってくる。江戸っ子ってドMだったに違いない。 そして最後、「水風呂」に沈んだあと。 こじんまりした内気浴スペースでひと休みしているとき、思いがけず“それ”は訪れたのです…! ふぁ~、気持ちいいな~。最高だな~。 ん? え? じわじわ~。あれあれ? 私、今、ひょっとしてととのってる…? そう、この“温冷交互浴”で、ととのえてしまったんです。 昔ながらの銭湯スタイルにこだわる「小杉湯」では、あえてサウナを作らず湯船だけで勝負すると聞いていたので、ととのいについて実はまったく期待していなかったのですが、「あつ湯」と「水風呂」の温冷交互浴がこんなにも気持ちいいとは…! “ととのい”の新発見でした。 また、こちらのお湯は軟水器を使っていて、肌や髪に優しいのもさりげなくうれしいポイント。