バービーが出産して「この国は子どもたちに危険すぎる」と思った理由
コンプレックスを煽ってない?
「美容整形のCM多すぎ問題」これにも危機意識を抱いている。 テレビをつければ美容整形のCMばかり。広告費を出せる企業が減ってきていることも相まってなのだろうか。このところ美容外科クリニックのテレビCMが激増している。 テレビCMの出稿状況を可視化したクラウド型TVデータ分析サービス「TV Rank」を見ても一目瞭然だ。具体的な数字の言及は避けるが、特に2022年から2023年にかけての広告増加率は著しい。 実際に2023年10月時点で、全国の美容外科を標榜する診療所(病床が19床以下の医療施設)の数は2016施設で、2020年の調査結果(1404施設)から43.6%増加している。(※厚生労働省 令和5年医療施設調査・病院報告の概況より) コンプレックスを煽られた若者は美容医療へ駆け込み、業界は潤うマッチポンプの完成だ。もちろん、美容整形によって救われた人もいる。たとえそれが自信を持ちたいからという理由でも、目的のために整形するのはいいと思う。 私だって全身脱毛をやっているし、肌の施術を受けている様子をYouTubeで発信したりしている。ただ、動画の最後には「おすすめはしません。自分でよく考えて決めてね!」と付け加えるようにしている。 自分のために受けた施術だが、以前「バービーちゃんがやってるから、私もやる!」という人が結構な人数現れたことがあり、発信内容に気をつけるようにしている。 悩んでる人の力になりたい。この気持ちは美容医療に携わる人たちと同じだと思う。だが、ただ普通に生きてるだけなのに広告によって、あなたの容姿は恥ずべきものだという気持ちにさせるのは違うのではないだろうか。 なぜなら、コンプレックスに漬け込まれると人はいとも簡単に扇動されるからだ。大人でさえそうなのだから、まだ自分の軸を持ち合わせていない少年少女たちならなおさら。そこに付けこんだ売り込みになっていないだろうか。 美に対する倫理観について、発信について、もっと議論していかなくては。 呪いの言葉はずっと刺さり続ける。 いまやプロレスのリングロープ並みに太くて切れないメンタルを持つ私でさえ、思春期のころに容姿について言われた言葉はいまだに覚えている。 初めて会った人に「顔どうしたの?大丈夫?」とニキビ面について言われたこと。 柔道部がない学校なのに「柔道部に入部してこい」と男子に体型をいじられたこと。 たったそれだけのことで?と思われる言葉でも、抜くのは難しいのに刺さるときは簡単だ。 ならば、刺さる前にそれらの言葉から守ることが私にできることかもしれない。そして、容姿よりもっと大切なものがあることを伝えることも。 ほんの少しの抵抗かもしれないけれど、未来の娘へ、そして今まさに容姿のことで悩んでいる子たちに手紙を書いておこうと思う。