バービーが出産して「この国は子どもたちに危険すぎる」と思った理由
未来の娘と容姿に悩んでいる子たちへの手紙
娘へ、だれかのお子さんへ 何かの分類にはめ込まなくても大丈夫。 あなたはもともと唯一無二の「あなた」というジャンル。人と比べたり、同じものを欲しがるのは自分を苦しめるだけ。 あの子はあの子。 あの子はあなたにはなれないし、その逆も同じにはなれないし、なる必要もないよ。 世界にひとつしかないあなたの脳と身体とDNAを尊敬する。奇跡の産物なのだから。 だから、あなたを商品やアクセサリーのように扱う人からは距離を置いて。 身体は、人生の最後まで使う乗り物。 ちょっとでもいつもと違うなと思ったら、意識して休むこと。メンテナンスは欠かさずに。 どうしても整形したいのであれば、あなたを人として敬ってくれる人、その先の人生まで考えてくれる人のところでやってね。 安くなるからという理由だけで顔出しのモニターをやろうとする程度なら、まだ機は熟してないってことだと思って。 あと、はるな愛さんが言ってたよ、「自歯だけは抜くな」って。説得力あるね。 もし容姿にコンプレックスを感じたら、自分を責めるのではなく、何がそうさせているのか社会の仕組みを観察してみて。 鼻が低いから 脚が太いから お腹が出てるから そんなふうに思ってしまったのはなぜ? 何を見てそう思ったの? インドでサリーを着た時に腰回りのお肉は豊かさの象徴なのだと言われたし、歯が黒いことが美しい時代もあった。 美しさは時代や場所によって違うし、人によって作り出されるもの。 そして何より大事なこと。 人と深い付き合いができるかどうかは容姿では決まりません。 友だち、恋人、パートナー。たしかに出会いの入り口に容姿は絡んでくるかもしれないけれど、心地よい関係を作れるかどうかは関係ない。 その基準に囚われていると、あなたも他人をそのものさしでしか見なくなるよ。 そうしたときに本当に大切な人を逃してしまう可能性だってある。 何が幸せなのかはこれからじっくりあなたが決めてね。 他人のものさしじゃなくて、あなたのものさしをゆっくり作っていこう。 今を生きる子どもたちにこの世はサバイバルすぎる。 掠め取っているのは大人で、巧妙に仕掛けている人の存在を知りながら放置しているのも大人だ。子どもにアンパンマンの精神を強いるのではなくて、アンパンマンから学ぶべきは大人のほうなのかもしれない。 子どもたちのためにも愛と勇気でコンプレックスを植え付ける言葉のない世界を作っていきたい。 いつでも心にアンパンマンを。
バービー(芸人)