W杯最終予選で中国を2-0で撃破した森保Jが手にした収穫とは?
カタールワールドカップ・アジア最終予選の第7節6試合が27日に行われ、埼玉スタジアムで中国代表と対戦した日本代表は2-0で快勝。4連勝で勝ち点を15に伸ばし、自動的に出場権を獲得できるグループBの2位をキープした。 前半13分にFW大迫勇也(31・ヴィッセル神戸)のPKで先制した日本は、後半16分にMF伊東純也(28・ヘンク)が豪快なヘディング弾を一閃。守ってはともにアジア最終予選初出場のセンターバックコンビ、谷口彰悟(30・川崎フロンターレ)と板倉滉(25・シャルケ)を中心に、中国をシュート数わずか2本に封じた。 メルボルンではオーストラリア代表が最下位のベトナム代表に4-0で圧勝。3位のオーストラリアに勝ち点わずか1ポイント差で追走される日本は2月1日の次節で、無敗で首位を快走するサウジアラビア代表と埼玉スタジアムで対戦する。
「雄太からいいボールが来たのでふかさないことだけを意識」
ウォーミングアップ中のリザーブ組の目の前で、直前に左サイドバックとして投入されていた中山雄太(24・ズヴォレ)が利き足の左足を振り抜いた。美しい弧を描いた低空の高速クロスに、中国の最終ラインが一瞬、金縛りになった。 ファーサイドから中央へ走り込んできた伊東にも、もちろん誰も気がつかない。2人のディフェンダーの間へ、トップスピードで飛び込んできた伊東は完璧なタイミングで宙を舞い、ピッチへボールを叩きつけるようにヘディングを見舞った。 「雄太(中山)からいいボールが来たので、(シュートを)ふかさないことだけを意識して、あとは合わせるだけでした」 三浦知良、呂比須ワグナー、原口元気に続くアジア最終予選での3試合連続ゴール。ベトナム、オマーン両代表を沈めた昨年11月シリーズに続いて、すべてを日本の勝利に結びつけた伊東の一撃は森保ジャパンを呪縛から解き放った。 6試合を終えたアジア最終予選で、日本は複数得点をあげていなかった。オーストラリアとの第4節を2-1で勝利しているが、決勝点は相手のオウンゴール。総得点はわずか5。試合数を下回る決定力不足に、森保一監督も思わず苦笑したことがあった。 迎えた2022年の初陣。伊東のクロスが相手のハンドを誘発し、獲得したPKを大迫が決めて幸先よく先行するも後が続かない。前半38分にMF南野拓実(27・リバプール)が、後半5分と12分には大迫が決定機を迎えるもネットを揺らせなかった。 時間の経過とともに「またか……」というムードが漂う。右太もも裏を痛めて招集外となったDF吉田麻也(33・サンプドリア)に代わり、キャプテンを務めたアンカーの遠藤航(28・シュツットガルト)も、特に前半は全体的に間延び気味だったと認めた。 「テンポがちょっとゆっくりしていた。ただ、相手も来そうで来ない、というところがあったなかで急ぎすぎてもよくない。そのあたりのバランスは難しかったですね」