森保Jの「4-3-3」に復帰した“絶好調”久保建英の居場所はあるのか…「問題なくできる」アピールも切り札を使えないジレンマ
昨年9月以来の日本代表復帰を果たし、カタールワールドカップ・アジア最終予選に臨むMF久保建英(20・マジョルカ)が25日、オンラインでメディアに対応した。 右ひざを痛めて戦列を離れている間に、森保一監督はシステムを4-2-3-1から4-3-3へ変更。主戦場としてきたトップ下のポジションがなくなった状況に、久保は「このシステムに関しては新入りみたいなものなので、僕も楽しみにしています」と前を向き、インサイドハーフやウイングへの挑戦に意欲を見せた。 中国代表との第7戦(27日・埼玉スタジアム)へ向けたキャンプ2日目のこの日は、招集された23人全員がそろい、冒頭以外は非公開とされた練習に参加。アジア最終予選の6試合でわずか5得点にあえぎ、セットプレーからのゴールもない森保ジャパンでプレースキッカーの期待もかかる久保だが、現状では先発復帰できる可能性は低い。
プレースキッカーとしての存在感
森保ジャパンが国際Aマッチであげた100ゴールのうち、フリーキックから直接ネットを揺らした得点はわずか2つしかない。2018年11月と2019年11月に、ともにキルギス代表戦でMF原口元気(30・ウニオン・ベルリン)が決めただけだ。 木村和司から中村俊輔、遠藤保仁、そして本田圭佑と紡がれてきた名手の系譜が途切れかけていたからこそ、久保の左足から放たれた閃光が希望を灯した。 まだ記憶に新しい今月15日。エスパニョールとのスペイン国王杯4回戦の前半32分に、ゴール正面からやや右、約20mの距離で獲得した直接フリーキック。久保の一撃は低く速い軌道を描き、壁を越えて急降下しながらゴール右隅を正確に射抜いた。 「フリーキックを獲得したときから蹴るつもりでした。自信があったので」 スペインへ移籍して3シーズン目で初めて決めた、直接フリーキックからのゴールをこう振り返っていた久保へ、日本代表の一員として臨んだオンライン取材でも期待が込められた質問が飛んだ。もっとも、20歳のレフティーは心憎いほど冷静だった。 「この間の試合で決めてあらためてわかりましたけど、フリーキックはすごく難しい。トップレベルでも年に何本も決めるキッカーはそんなにいないし、そう簡単に入るものではないと認識された方がいいのかな、と。代表でもキッカーがいない、という報道を僕も目にしますけど、簡単にポッと出てくるものでもないと思っています」